文化庁はなぜ京都に移転するのか

そもそも、なぜ文化庁は京都に移転することになったのでしょうか?主な理由として、京都市の公式サイトには以下の3つが挙げられています。

  • 東京一極集中の是正
  • 日本全国の文化の力による地方創生
  • 地域の多様な文化の掘り起こしや磨き上げによる文化芸術の振興

また、京都市にとっても以下のような意義があると述べられています。

  • 名実ともに「文化首都」となる画期的な出来事
  • 都市の魅力や国内外への発信力を一層高める

京都には世界遺産「古都京都の文化財」に登録されている寺社仏閣がいたるところに点在しており、国宝・重要文化財の総数は東京都に次いで全国2位です(参考:文化庁)。

このことからも、京都は、日本の文化芸術を世界・次の世代に伝える役割を担っている文化庁が拠点とするのにふさわしい場所と言えるでしょう。

文化庁の京都移転の流れをざっくりおさらい

文化庁の京都移転のきっかけとなったのは、2015年(平成27年)8月に国が行った、政府関係機関の地方移転に係る提案の募集。

これに、オール京都・オール関西で、国に対して文化庁の京都移転の要望が出されました。

2016年(平成28年)3月に文化庁の京都移転が決定し、2018年(平成29年)4月には京都市東山区に「文化庁地域文化創生本部」を設置。

本格的な移転の準備と、新しい政策ニーズに対応する業務を先行的に行いました。

その後、「文化芸術基本法の施行」の施行と「文部科学省設置法の一部を改正する法律」の公布、文化庁移転協議会などを経て、法律と運営体制を整備。

2022年(令和4年)12月には、文化庁の移転先となる庁舎が竣工しました。

2023年(令和5年)3月27日より文化庁は京都での業務を開始し、5月15日には文化庁職員の大半が京都に移転することになります。