2017年1月から、20歳以上60歳未満のほぼすべての人が加入できるようになった個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)。制度拡充から半年が経過し、始めてはみたものの運用商品選びとその配分では引き続き頭を悩ませているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。iDeCoでの運用成果は自分の商品選びとその配分にかかっているともいえるため、これでいいのだろうかと不安が募ることもあると思います。

投資にあたっては、若いうちはリスクをとった積極的な運用を行い、年齢が高くなるにつれてリスクが低い運用に変えていくとよいと言われます。また、60歳までの間には結婚や子育て、住宅購入などによる変化もあるかもしれません。今回はこの前提に立って、年代やライフイベントにあわせたiDeCoの資産配分について考えていきます。

iDeCoは資産形成を考えるうえでメリットがいっぱい

iDeCoは老後に向けた資産形成を行うための制度です。そのメリットは大きく次の3点です。

1.iDeCoの掛け金は全額所得控除の対象=所得税・住民税の節税になる
2.運用益が非課税になる
3.受け取るときにも税優遇が受けられる

運用商品の選び方

iDeCoでは、自ら運用する商品を選んで配分を決め、月々の掛け金で購入していきます。もしリスクはとりたくない、あるいは損はしたくないということなら、定期預金を運用商品として選び、節税メリットだけを得ることも可能です。しかし、現在の利率は非常に低い状況にありますので、口座の管理手数料なども含めたトータルのパフォーマンスを考えるなら、投資信託と組み合わせた運用も検討することが現実的な選択です。

投資信託は、iDeCoにおいて元本変動型商品の中心となるものです。投資初心者であれば、まずは日経平均株価やTOPIXなどに連動した運用成果を目指すもので、信託報酬も低く抑えられた「インデックスファンド」から選んでみてはいかがでしょうか。

インデックスファンドと一口に言っても、国内の株式に投資するもの、海外の債券に投資するものなど、資産クラスごとに商品があります。債券型よりは株式型のファンドのリスクは大きいといえますが、取ったリスクが大きいほど期待できるリターンも大きくなります。また、国内資産型のファンドよりも海外資産型のファンドの方がリスク・リターンともに大きくなる傾向があります。

20代~30代は積極的な運用をめざす

では、年代別にはどのように考えていけばよいでしょうか。もし20代なら、まだ収入は少ないとしても、お金の使い方そのものは比較的自由に決められるかもしれません。30代になると、結婚、子育て、住宅購入といったライフイベントが多くなり、出費が増える可能性がありますが、収入も増えていることが多いでしょう。

この年代はまだ年金受給開始まで時間があるので、ゆとりをもって資産形成に取り組めるはずです。多少リスクを取っても、株式や海外資産の割合を高めにした資産配分で積極的な運用を行っていくことが考えられます。

ちなみに掛け金は限度額いっぱいまで掛け金を積み立てたほうが節税効果も高いのですが、まだ収入が多くなく、貯蓄や投資に回せるお金が少ないということなら、まずは無理のない範囲で設定し、余裕をみながら積立額を増やすことを検討しましょう。余裕がでてきたら限度額いっぱいまで掛け金を引き上げて、積極的な運用でお金を増やすことを意識していきます。

40代~50代はリスクを抑えた運用へとシフト

40代以降になれば、住宅ローンや子供の教育資金などの出費が続く一方で、将来についても考え始めるという方が増えkると思います。この年代では上限いっぱいの掛け金を積み立てつつも、組み入れる商品を入れ替えていくことで、セカンドライフへの備えを固めていくことを検討するといいでしょう。

たとえばこれまで海外資産を多く組み入れてきた人であれば、国内資産の割合を高くして為替リスクを抑えながら徐々に安定的な運用に切り替えていくといった具合です。特に定年退職が見えてくる50代以降は、債券や国内資産のほか、定期預金の割合を高めるなどして、守りを固める運用にシフトしていくことが考えられます。

まとめにかえて:自分に合わせた商品を選べる金融機関選びも大切

いかがでしたでしょうか。今回はライフステージに合わせたiDeCoの商品選びを考えてきました。iDeCoでは、こうした商品の組みかえなどに柔軟に対応できるラインナップが揃った金融機関選びも重要なポイントになります。これから始める人であれば、自分に合った商品を選ぶことができる金融機関でiDeCoをはじめてみてください。

 

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LIMO編集部