積立運用の効果

ここでは、次のような運用を見てみましょう。

期間は短いのですが、6ヶ月間運用した場合の運用成果をグラフにしました。

出所:筆者作成

積立を始めた翌月から基準価額(投資信託の値段)が下がっていき、4ヶ月目には基準価額が積立を始めた時の半分になっています。

その後に回復し、6ヶ月目で基準価額8000円まで戻りました。

毎月3万円の積み立てで、1ヶ月目は基準価額が1万円なので、

3万円 ÷ 1万円 / 1万口 = 3万口分購入できました。

同様に計算します。

  • 2ヶ月目 3万円÷8000円 / 1万口 = 3.75万口
  • 3ヶ月目 3万円÷6000円 / 1万口 = 5万口
  • 4ヶ月目 3万円÷5000円 / 1万口 = 6万口
  • 5ヶ月目 3万円÷6000円 / 1万口 = 5万口
  • 6ヶ月目 3万円÷8000円 / 1万口 = 3.75万口

積立金額は、毎月3万円が6ヶ月分で計18万円。

6ヶ月目では、合計26万5000口の積立で

26万5000口 × 現在の価額 8000円 / 1万口 = 21万2000円となります。

6ヶ月間で18万円を積立したのに、21万2000円となりました。

これは、3ヶ月目から6ヶ月目までの間の安い値段の時にも定期的に購入しており、基準価額が回復したことにより、利益を出せる体質になったからです。

運用は、常に上がらないといけないと考える方が多いのですが、積立は値動きがあることにより、利益が出せるのです。

積立は基準価額が高い時にはあまり購入せず、基準価額が下がった時に多く購入できるため、効率の良い方法なのです。

積立の場合、何で運用するかは価格変動が大きなもの、しかも定期的に価額が回復するものが好まれます。

その上で、分配金は受け取らずに、再投資することも効果的です。そこで複利効果が生まれますので、さらに運用効果が高まります。

注意することは、すぐに積立をやめないことです。

日本の多くの方は積立の期間が短いのですが、投資信託の価額が下がった時は、たくさんの口数を購入することができるため、将来の値上がりのためには、値下がりはチャンスといえるのです。