富裕層ってどんな人

ひとえに富裕層といっても、どのような人のことを指すのでしょうか。富裕層の定義や、日本国内にどのくらいいるのかを見ていきましょう。

純金融資産保有額が1億円を超える人

富裕層とは、「多額の資産を持っている人」のことを指します。

調査を行っている野村総合研究所(NRI)では、富裕層を以下のように定義しています。

  • 純金融資産保有額が1億円以上、5億円未満を「富裕層」
  • 純金融資産保有額が5億円以上を「超富裕層」
  • 純金融保有資産額が5000万円以上、1億円未満を「準富裕層」

純金融資産保有額とは、預貯金・株式・債券・投資信託・一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた額のことをいいます。

「3億円の金融資産を持っていても、負債が2億9000万円ある」という人は富裕層とはいえません。

富裕層以上の世帯の割合は2.4%

野村総合研究所(NRI)が2019年に行った調査によると、純金融資産保有額の階層別の保有資産規模と世帯数は、下表のとおりです。

出所:野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」をもとに筆者作成

富裕層と超富裕層を合算すると132.7万世帯です。日本国内の全世帯数が5402.3万世帯なので、富裕層以上の割合は2.4%になります。

また、富裕層と超富裕層の保有資産を合算すると333兆円です。全世帯の保有資産合計額は1554兆円なので、わずか2.4%の富裕層以上の人で、日本国内の金融資産の21.4%を占めているという計算になります。

富裕層の世帯数は増加傾向

同じく野村総合研究所の調査によると、富裕層の世帯数は以下のように推移しています。

出所:野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」をもとに筆者作成

富裕層および超富裕層の世帯数は、アベノミクスが開始された2013年以降、一貫して増加を続けています。

その要因としては、経済政策にともなう株式などの資産価格の上昇にあり、準富裕層の一部が富裕層に、富裕層の一部が超富裕層に移行したことが考えられます。