年初来高値更新するが、週末前は上値の重い動き

2017年6月23日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より22円16銭高の2,0132円67銭となりました。3日ぶりに反発しました。

今週は週初から上昇し、20日にはザラバで20,318円、終値で20,230円と、いずれも6月2日以来、半月ぶりに年初来高値を更新しました。ただしその後は、高値圏での利益確定の動きも出て、週末前には買いが手控えられ、伸び悩みました。とは言うものの、下げ幅は小さく、終値が2万円を割り込まなかったところにも下値の堅さを感じます。

先週は日米英の金融政策決定会合が行われ、無難に通過しました。手がかり材料もないことから、今週どちらに動くか注目されました。

市場の判断材料はやはり円相場となったようです。19日にダドリー・ニューヨーク連銀総裁が講演し、米国の景気拡大について、総じて良い状況であり、利上げ継続の必要性を訴えたとされ、米株高や円安が進行しました。

ただし、こちらも週末前にかけて円安の動きは続いていません。23日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に上昇し、1ドル=111円25~35銭で終えています。

来週の動きはどうなるでしょうか。米株市場、円相場、日経平均ともに、小じっかりとしている印象を受けます。23日のダウ工業株30種平均は21,394ドルで引けています。原油安が続いているにもかかわらず、週間では10ドル高となっています。円相場についても、今月一時、1ドル=108円台まで円高となりましたが、先週から111円台に戻り安心感があります。

25日にダドリー総裁、27日にはイエレン議長の発言が行われます。7月には連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。雇用統計、消費者物価などの米景気指標も発表されます。足元は高値圏で、動きが読みづらいところではありますが、ここから反落するよりは上値に期待できると思います。積極的に付いていきたいところです。

25日移動平均線に支えられ反発するが、週後半には押し戻される

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。6月15日に25日移動平均線で反発した動きを引き継いで、週初19日は大きな陽線で始まりました。20日にはさらに窓をあけて上昇し、年初来高値を更新しました。

ただ、20日のローソク足は実体が短く上ヒゲが長い形となり、直近の天井圏を予想させます。実際に、翌日から3日間は陰線が続き、窓を埋めてしまうことになりました。

大きな上昇トレンドが形成されたことから、一段上のステージに期待

今後の動きはどうなるでしょうか。チャートの形は強気を示しています。5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線がともに上昇しており、さらにそれぞれの間隔が扇を開くように広がっています。これは典型的な上昇のシグナルです。

6月2日の高値(20,239円)を抜けたことから、4月17日を直近の底とする大きな上昇トレンドラインが形成されました。20日に急上昇した窓を埋めてしまいましたが、窓の下限付近では下ヒゲの長いローソク足となっており、反発も予感させます。

来週、6月20日の高値(20,318円)を超えることができれば、視界はかなり広がっています。そのあたりを超えると上値のめどとして意識されるのは2015年6月24日の高値(20,952円)ぐらいしかありません。

逆に、来週、調整の動きになることもあります。トレンドラインのチャネルの下限、25日移動平均線が2万円前後で重なることから、そのあたりまでの戻しはあるかもしれません。ただし、そこからさらに下がるようなことがなければ、押し目買いの好機と考えていいと思います。

下原 一晃