1. 国民年金を厚生年金で補填?両者の違いとは
「国民年金の水準を維持するために厚生年金から補填する」とされていますが、まずは2つの違いを整理する必要があるでしょう。
日本の年金制度は図のとおり2階建ての構造となっています。
1階にあるのが国民年金。日本に住む20~60歳未満の方が加入し、一律の保険料を納めます。将来は、納付金額に応じた国民年金が受給できます。
国民年金の第2号被保険者である公務員や会社員等は、2階部分である厚生年金にも加入します。
収入に応じた保険料を納め、将来は納めた保険料や加入期間に応じた厚生年金を、国民年金に上乗せして受給できます。
このように、本来は別の制度である国民年金と厚生年金ですが、国民年金の水準を保つために厚生年金にも切り込むというのです。これは最近になって出た案というわけではなく、2021年9月10日の田村厚労省(当時)の会見でも触れられていました。
SNSにおいても「筋が通りません」「まずは無駄な支出をやめてからではないだろうか」等否定的な意見が見受けられます。
2. 国民年金の納付期間が45年に延長?
もう一つ話題になっているのが、国民年金の納付期間を45年に延長するという案です。こちらも複数メディアで報じられ、SNS等で論争が起こっています。
現在、国民年金を満額受給するためには、40年間国民年金に加入して保険料を納める必要があります。しかし財政の悪化等を理由に、45年に延長する案が出ているというのです。
もし実現すれば、20歳で加入してから65歳まで支払い続けることに。今でも任意加入として最大70歳まで加入できるとはいえ、複雑な思いを抱える方もいるでしょう。
そもそも、厚生年金や国民年金はいくらぐらい支給されているものなのでしょうか。直近のデータから実態を見ていきましょう。