不屈の阪神タイガース鳥谷選手、連続出場記録継続

2017年5月26日、阪神タイガースの鳥谷敬選手は読売ジャイアンツの吉川投手の危険球で鼻を骨折しました。今シーズンは好調を持続し、連続試合出場を1,794試合まで伸ばしていたところのアクシデントで、出血がひどくそのまま代走と交代しました。

筆者は映像を見て大変心配しましたが、鳥谷選手は不屈でした。翌5月27日、フェースガードをつけて代打として打席に立ち、連続出場記録を1,795試合に伸ばしました。タイガースは6対1でジャイアンツを下しています。

野球ファンも、そうでないかたも、鳥谷選手の闘争心と根性に頭が下がる思いなのではないでしょうか。

鳥谷選手を鼓舞するタイガースのチーム運営の妙

鳥谷選手を鼓舞している要因は3つ考えられると思います。

まず、鳥谷選手は自分が活躍してチームが日本一になることを渇望しているからでしょう。タイガースは1985年の日本一以降、セ・リーグ制覇は2003年、2005年の2度ありますが日本一はありません。2004年に入団し、35歳になるミスター・タイガースとして、是が非でも現役中に日本一になりたいと思っているはずです。

次に、個人成績のリベンジです。2016年は鳥谷選手にとって三塁へのコンバートがあったうえ、打率が2割3分6厘と入団以来最も低くなってしまいました。2017年に入り遊撃手の座を若手の北條選手に譲りましたが、正三塁手として出場を続け、打率も2割9分5厘でチームトップ、セ・リーグの第10位です(5月25日現在)。

そして最後にチーム内競争の激化です。鳥谷選手に代わって25日にスターティングメンバーとして三塁に入ったキャンベル選手は、いきなりホームラン1本を含む4打数2安打の好成績を出しました。ミスタータイガースといえどもうかうかしていられないチーム内の競争状況と言えます。

昨年4位に終わった阪神タイガースは、5月25日現在、セ・リーグのトップを走ります。この好調の要因は、ベテラン、若手、外国人が競争をしながらうまくかみ合っていることにあるのではないでしょうか。鳥谷選手の不屈の精神は、このようなチーム事情、チームの勢いと無縁ではないと思います。

タイガースがセ・リーグの覇者になれば株価も上がる!?

さて、阪神タイガースがこのまま首位を走りセ・リーグを制したとき、喜ぶのはタイガースファンだけではありません。

リーグ優勝をした1985年、2003年、2005年を振り返ると、日経平均は年間にそれぞれ+14%、+24%、+40%上昇しました。1971年から2016年までの46年間のうち、日経平均の年間の騰落率の平均値は+8%ですので、タイガース優勝の年は株価もとても好調だということがわかります。

日経平均は年末2万4千円へ?

ちなみに、優勝した3つの年の上昇率の平均値を計算すると+26%となります。2016年12月末の日経平均は19,114円でしたので、もし今年タイガースがセ・リーグのチャンピオンになれば、日経平均は19,114円×(1+26%)で、およそ24,000円で2017年を終えると試算されます。

タイガースファンばかりではなく、世界中の日本株投資家がタイガースの躍進を望んでいるとも言えそうです。

椎名 則夫