9月になり、2022年度も折り返しが近づいてきました。始まりである4月には、年金制度の改定が大きな話題を呼びました。
制度だけでなく、年金の額が0.4%引き下げとなることに不安を覚えた方も多いでしょう。
2022年度、標準的な夫婦の年金額は21万9593円と発表されました。
約22万円の年金が受給できる「標準的な夫婦」とは、具体的にどのような世帯を指すのでしょうか。
また、夫婦以外の受給額も気になるところです。厚生労働省の資料から見ていきましょう。
【注目記事】年金を増やしすぎた夫婦を待つ悲劇。手遅れになる前に知っておくべき繰下げ受給の仕組み
1. 公的年金には厚生年金と国民年金がある
まず、日本の年金制度について見ていきましょう。
公的年金は、下記のように国民年金と厚生年金の「2階建て」構造となっています。
1階部分に位置するのが国民年金。20歳以上60歳未満の日本に住む全員が加入するため、基礎年金とも呼ばれます。
一方、厚生年金は2階部分と呼ばれ、会社員や公務員などが主に加入します。つまり、将来は国民年金のみを受給する人と、国民年金と厚生年金の両方を受給する人がいるということです。
まずはこちらの区別をつけておきましょう。
2. 厚生年金を22万円もらえる「標準的な夫婦」とは
日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」によると、21万9593円がもらえる夫婦は次のとおり定義されています。
平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
夫は40年間会社員、妻は専業主婦という構図ですね。夫の報酬が43.9万円ということですが、これは40年間を通しての平均です。
実際には、報酬や家族構成は個人によって異なります。こちらが標準的な年金だと言われても、あまり参考にならないと感じた人もいるのではないでしょうか。
そこで、国民年金と厚生年金の受給額を深掘りしてみます。
3. 【一覧表】国民年金と厚生年金の平均月額はいくらか
ここからは、厚生労働省の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、国民年金・厚生年金の平均受給額や受給額ごとの人数を確認していきます。
3.1 国民年金:平均月額5万6252円
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
3.2 厚生年金:平均月額14万4366円
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
※国民年金の金額を含む
以上の受給額の現状から、モデル夫婦以外の年金の受給額を試算してみましょう。
4. 厚生年金と国民年金「共働き・独身」では受給額がいくらになるか
ここからは、世帯構成や年金の種類ごとに受給額をシミュレーションしていきます。
4.1 夫婦世帯
- 夫婦とも厚生年金:26万8550円(夫:16万4742円+妻:10万3808円)
- 夫が厚生年金+妻が国民年金:21万8854円(夫:16万4742円+妻:5万4112円)
- 夫が国民年金+妻が厚生年金:16万2848円(夫:5万9040円+妻:10万3808円)
- 夫婦ともに国民年金:11万3152円(夫:5万9040円+妻:5万4112円)
4.2 独身世帯
- 男性で厚生年金:16万4742円
- 女性で厚生年金:10万3808円
- 男性で国民年金:5万9040円
- 女性で国民年金:5万4112円
モデル夫婦は約22万円でしたが、夫婦ともに厚生年金を受給している場合は26万8550円になります。
専業主婦や扶養内でパートをしている世帯も、将来を考えると厚生年金に加入するメリットを感じるかもしれません。
老後は医療費・介護費などの不安要素が高まるので、年金は高いほうが安心できますね。
一方、同じ共働きでも夫婦二人とも自営業やフリーランスの場合は、11万円程度になりました。国民年金の受給者は、より早く老後の準備をする必要があるかもしれません。
5. 厚生年金や国民年金が少ない場合の対策
標準的な夫婦の年金だけでなく、あらゆる世帯の年金額を試算してみました。
あくまでも現在の水準でのシミュレーションのため、今後は支給額が減少していく可能性も高いです。
老後を想像し、さらに受給額の目安を把握することで、いくら足りないのかを知っておきましょう。
年金の目安額は、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」などで試算することもできます。
受給額の少なさに気づいたときは、老後資金の準備を始めましょう。iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)など、今は老後資金を準備するための金融商品もたくさん販売されています。
自分に合う方法を見つけるためにも、しっかり情報収集を行いましょう。



