定年退職後の過ごし方について、具体的に考えている方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか。

「現役時代はがむしゃらに働き、定年後は悠々自適に過ごしたい」
「仕事が生きがいなので、できる限りバリバリ働きたい」
「本当は引退したいが、お金が心配なので働くつもり」

個人によって考え方は様々でしょう。

厚生労働省の「令和3年版高齢社会白書」によると、2010年に60~64歳で働く人は6割に満たなかったのですが、2020年には7割以上に増えました。

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出所:厚生労働省「令和3年版高齢社会白書」

75歳以上で働く人も、2019年に1割を超えました。今後も働くシニアは増えていくかもしれませんね。

働く動機の一つとなる「お金事情」について見ていきましょう。

【注目記事】厚生年金の見込みが20万円だった男性。手取りの少なさに愕然としたワケ

1. 【70歳代以上】厚生年金と国民年金は月平均いくらか

定年退職後、生活を支えてくれるのは主に公的年金となります。今の70歳代以上は、年金をいくら受け取っているのでしょうか。

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を元に、1歳刻みで年金の月平均を見ていきます。

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出所:厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

 

1.1 国民年金の平均年金月額

  •  70歳:5万7234円
  •  71歳:5万7153円
  •  72歳:5万7066円
  •  73歳:5万6874円
  •  74歳:5万6675円
  •  75歳:5万6235円
  •  76歳:5万6204円
  •  77歳:5万5881円
  •  78歳:5万5651円
  •  79歳:5万5525円

1.2 厚生年金(第1号)の平均年金月額

  •  70歳:14万3775円
  •  71歳:14万7105円
  •  72歳:14万6331円
  •  73歳:14万5724円
  •  74歳:14万5467円
  •  75歳:14万7519円
  •  76歳:14万8172円
  •  77歳:14万9924円
  •  78歳:15万2159円
  •  79歳:15万4467円

※国民年金の金額を含む

日本に住む20~60歳未満の方は原則国民年金に加入しますが、会社員や公務員等は厚生年金にも加入します。

自営業やフリーランスが受け取る「国民年金」と公務員や会社員が受け取る「厚生年金」では、9~10万円ほどの差があることがわかりますね。

国民年金のみに加入している人は、年金に加えて老後資金を形成しておく必要があるでしょう。

2. 70歳代以上はいくら貯金があるか

70歳代が受給する年金額がわかりました。では、貯金はいくらぐらい保有しているのでしょうか。

ここからは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとに、貯蓄事情をチェックしていきましょう。

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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」

2.1 70歳以上世帯「金融資産保有額」(※金融資産を保有していない世帯を含む)

  •  平均:2209万円
  •  中央値:1000万円

貯蓄平均は2000万円以上と、2019年に話題になった「老後2000万円問題」をクリアする水準です。

ただ、この数値はあくまで平均。その内訳をみると、3000万円以上の貯蓄を持つ2割の人がいる一方で、貯蓄ゼロも同じく2割程度なのです。

同じ70歳代でも、ここまでの格差があるのですね。

3. 70歳代の生活費。暮らしぶりとは

年金や貯金事情がわかりました。では70歳代の暮らしぶりはどのようなものなのでしょうか。

総務省の調査より、70歳代以降の二人以上・無職世帯の消費支出を確認します。

  •  70~74歳:24万2579円
  •  75~79歳:22万4855円
  •  80~84歳:20万6655円
  •  85歳~:19万4102円

(参考:総務省「家計調査報告(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)」より)

70歳代以上・無職世帯の生活費は20万円台前半です。税金や社会保険料などを上乗せすると、二人以上の世帯では25万円以上のお金が必要になるでしょう。

実際は子どもの有無や居住地など個々の状況により異なるものの、老後を想像するうえでの参考となりそうです。

4. 70歳代の年金やお金から考える老後の備え

今回は、70歳代が受給する年金、保有する貯金、そして毎月の生活費を見ていきました。

定年退職後はあまりイメージできていなかった方も、リアルな数字がわかったのではないでしょうか。

老後を考えたとき、現在の貯蓄額だけでは心配な人もいるでしょう。特に年金や退職金は減少傾向にあるため、現役世代の不安は計り知れません。

過度な不安を抱えていては今の生活も楽しめなくなるため、理想の老後を思い描いた上で、必要となる貯蓄額をシミュレーションしてみはいかがでしょうか。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

参考資料