4. 備えは「早くからコツコツと」がカギ

年金の受給額を確認してきましたが、年金のみで生活できるおひとりさまは多くないでしょう。厚生年金でも受給額が低かったり、国民年金のみでは生活するのが厳しいとわかります。

また、おひとりさまは賃貸に住む方もいるため、家賃がかかると老後の生活費も増えます。

加えて介護費用などがかかる可能性もあることを考えると、早くからコツコツと老後に備えることが大切と言えそうです。

老後対策にiDeCoやNISAが人気でたびたび話題となりますが、たとえば月3万円を20年間積み立てた場合を計算してみましょう。

4.1. 毎月3万円を30年間積立した場合

  • 年率利回り3%の場合:984万9060円(元本720万円・利益264万9000円)
  • 年率利回り5%の場合:1233万1010円(元本720万円・利益513万1000円)

預貯金で貯めれば720万円ですが、3%で1000万円近くに、5%で約1233万円になります。

上記は一例で、実際には利回り何%で運用できるかわかりませんし、運用なので損をする可能性もあります。

一方で、毎月一定額を積み立てるように買付時期を分散したり、投資対象を分散したりすることで、リスクを抑えることも可能です。

運用は自己責任になるので、きちんと情報収集して自分で納得の行く方法を選ぶことが大切です。ただ運用を貯蓄に取り入れることで、将来への備えがより十分できると感じる方もいるのではないでしょうか。

おひとりさまだからこそ、自分で現状を知り、数ある方法の中から自分にあったものを選んでいくことは大切です。大切な老後資金についても、時間のある時にまずは調べてみてくださいね。

参考資料

宮野 茉莉子