NYダウは+0.3%上昇、ダウ輸送株は+1%上昇
2017年5月5日のNYダウ工業株30種平均(以下NYダウ)は前週末比+0.3%上昇と、ほぼ横ばいで週を終えました。NYダウ輸送株20種平均は+1%上昇しています。
このところ米国のマクロ指標は強弱の混じるものとなっています。この週も4月の非製造業景況指数が予想を上回る改善を示しましたが、3月の個人消費支出と製造業新規受注、4月のISM製造業景況指数などの指標では景気の伸び悩みを感じさせました。
こうしたなかで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策は据え置かれましたが、景気認識は後退することなく、4月の雇用統計も堅調な雇用の伸びを示しました。このため総じて株式市場にはややフォローの風が吹いていたと思います。米企業の決算も一株利益がコンセンサスを上回った銘柄が多く、おおむね順調にこなしたと言えるでしょう。
上昇率トップはアップル
NYダウ30銘柄のなかで、前週末比上昇率のトップ5社は次の通りです。
アップル(AAPL)+4%
マクドナルド(MCD)+3%
メルク(MRK)+3%
ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)+2%
インテル(INTC)+2%
下落率トップはIBM
次に、前週末比下落率のトップ5社は次の通りです。
IBM(IBM)▲3%
ウォルト・ディズニー(DIS)▲3%
ナイキ(NKE)▲3%
キャタピラー(CAT)▲3%
ファイザー(PFE)▲1%
IBMにバフェットの売り
アップルは決算直後にいったん下げましたが、その後上昇に転じ相場を支えました。メルクも決算を好感して上昇しています。またマクドナルドの続伸が注目されます。
一方、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK)が保有株を売却したと報じられたIBMが急落しました。キャタピラーは急騰後の調整が進む週になりました。
なお、NYダウ採用ではありませんが、スプリント(S)が決算発表後に下落し週間で▲11%下げています。親会社であるソフトバンク(9984)の決算発表が5月10日に予定されており、注目されそうです。
椎名 則夫