2. 【厚生年金】加入者数と平均給与をチェック

国民年金受給者に比べて多くの年金が受給できる厚生年金受給者ですが、そもそも厚生年金に加入している人はどのくらいいるのか、また、厚生年金加入者の平均給与はいくらなのか気になるところです。

前出の厚生労働省の資料から見てみましょう。

2.1 厚生年金の加入者数

厚生年金に加入している人(厚生年金被保険者)の男女別の数と、その中で短時間労働者に該当する人数も見てみましょう。

厚生年金被保険者数

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

厚生年金の被保険者数は4047万人であり、男性と女性の比率はおよそ6対4となっています。

これに対して、短時間労働者に焦点をあててみると、男女の比率は大きく変わり、女性が7割以上を占めます。

2.2 厚生年金加入者の平均給与

毎月の給与を区切りのよい幅で区分した「標準報酬月額」の平均を見てみましょう。

標準報酬月額(令和2年度平均)

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

年間の給与にボーナスも加えた「一人当たりの標準報酬額」(年収にあたるもの)も見てみましょう。

一人当たり標準報酬額(総報酬ベース・年額)

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

男女で給与に大きく差があることがわかります。また、短時間労働者の報酬は全体の報酬額の半分に満たないこともわかります。

このように、厚生年金の加入者といっても男女での違い、働き方での違いがあり、非常に幅があることがわかります。

平均にしてしまうと、これらの部分が見えてこないため、実感と乖離していると感じることがあるでしょう。