1. 商船三井が株主優待を拡充
商船三井は2022年5月20日、株主優待を拡充すると発表しました。
従来、グループ会社が運航する「にっぽん丸」クルーズで利用できる優待券を提供していましたが、今回、フェリーでも利用できる優待を追加します。
1.1 株主優待の拡充の概要
毎年9月末日現在で株式1単元(100株)以上を持つ株主を対象に、以下の優待を提供することとなります。
- グループ会社2社が運航するフェリーで利用できるフェリーサービス共通クーポン券
- クーポン1枚につき、フェリーの旅客運賃から5,000円を割り引き
- 大人1名1乗船1枚の利用
- 有効期間は1年間
- 現金との引き換えや差額の返金は不可
- クーポン券の再発行はなし
優待拡充の理由について商船三井は「株主の日頃の支援に応えるほか、より多くの投資家に船を一層身近に感じてもらう機会を創出し、株式を中長期的に保有してもらうため」としています。
2. 商船三井の株価はどのように推移したのか
商船三井の株価は、2021年序盤から強い勢いで上昇しています。
※株価の数値は全て株式分割の影響を遡及調整しています。
株価は600円から1000円台前半での推移が長らく続いてきました。
しかし、各国経済が新型コロナウイルスの蔓延による影響から盛り返す中、資源需要が急速に回復し、受給のひっ迫から輸送運賃も急上昇しました。
結果、海運会社の業績を占う指標とされるバルチック海運指数は右肩上がりで推移し、これらの環境を好感する形で商船三井の株価も押し上げられたと推察できます。
2.1 TOPIXとのパフォーマンス比較
次の図は、2020年1月第1週の終値を100としたパフォーマンス比較図です。
これを見ると、商船三井の株式のパフォーマンスがいかに高かったかがよくわかります。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03