1. 親からの相続や事業継承がきっかけに

証券会社の新入社員が新規開拓としてアプローチする対象の一つに、未上場法人があります。その未上場法人を見ていると、意外と事業継承が行われていることがわかります。つまり、父親が始めた事業を引き継いで富裕層の仲間入りを果たす人も多いのです。

たとえば、対面証券で働くAさんの顧客で目立つのが、社長としては若い30~40代の中小企業の社長です。彼らは、先代の事業を引き継いで社長として事業を継続するほか、資産運用や法人向けの保険に加入したりします。

また、親からの相続で莫大な資産を得たという人も少なくありません。父親が亡くなり、母親と自分で資産を分け合ったという人もいます。Aさんの顧客には、親の資産を相続したものの資産運用の方法がわからないと相談してくる人も多い様子。

確かに、それまで何も資産運用やお金のことについてわからなかったのに、急に一人で管理しきれないくらいのお金が手元に来るとびっくりしてしまいますよね。

親から相続するときに初めて、Aさんの勤める証券会社に親の資産の一部である株や債券、投資信託があるのを知ったという人も少なくありません。自分の親に証券会社との付き合いがあったなんて知らなかった、という人も多いのです。