60代の貯蓄を増やす、資産寿命を伸ばす方法を考えよう

60代の貯蓄は平均が増えていましたが、中央値が下がっているところをみると生活が厳しい方も多いと思われます。

年金生活がはじまる60代であっても、貯蓄2000万円を保有する人は約3割でした。老後資金に不安を感じる方も多いですが、60代からであっても資産を増やす・守るためには複数の選択肢が考えられるでしょう。

まずは定年後も働き続けることです。働いて収入が得られれば、貯蓄の取り崩しを先延ばしできます。

次に、年金の受給開始を遅らせること。年金の受給開始年齢は60歳から75歳の間で選択することができます。繰り下げ受給する場合のメリットは、手続きをした翌月から受け取る年金が1カ月ごとに0.7%ずつ増える点です。

平均寿命の伸びや働き方の多様化により、「働けるうちは働きたい」「少しでも年金を増額して受け取りたい」と考える人にとっては選択肢となりえます。

ただ、年金額が増えると、税金や社会保険料も増えるため、手取り額が思ったほど増えないといったデメリットもありますので、繰下げ受給は慎重に検討しましょう。

最後に、収入や貯蓄の一部での資産運用という方法もあります。お金自体にも働いてもらうことができれば、資産の寿命を延ばすことが期待できます。

運用を継続しながら、年金のように少しずつ売却して現金で受取る「定時取崩し」という方法もありますので、「資産運用をしても解約するタイミングが難しい」「定期的に取り崩して使っていきたい」という方は検討してみると良いでしょう。

定期的に受け取る方法であれば運用を継続できるため、一度に解約して受け取るよりも、資産を長く維持できる可能性がありますね。

だだし、運用にはリスクがつきものなので、60代であれば現役の頃よりもリスクを抑えた運用をする必要があります。金融商品を選ぶ際には過去のリスク・リターンも参考に選ぶようにしましょう。

人生100年時代。60代というと人生の折り返し地点を過ぎたばかり。どの選択肢をとるかで、その後の何十年と続く生活も変わってきます。ご自身に合った選択肢を見つけてみてくださいね。

参考資料

齋藤 英里奈