3. 厚生年金の受給額を増やす方法「年金の繰下げ受給」について
厚生年金の受給額の実態を見て、「月平均15万円もらえている人は意外と少ない」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
厚生年金の受給額を増やすための方法に、「年金の繰下げ受給」という制度があるので、紹介します。
3.1 年金の繰下げ受給とは
老齢基礎(厚生)年金は、65歳で受け取らずに66歳以降75歳まで※の間で繰り下げて増額した年金を受け取ることができます。
繰り下げた期間によって年金額が増額され、その増額率は一生変わりません。
※昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなります。
3.2 年金の繰下げ受給をしたらどれだけ増やせる?
受給を1カ月遅らせるごとに0.7%増額され、1年間遅らせると増加率は8.4%になります。
75歳まで繰り下げることができるので、8.4%×10年間で、最大84%(※繰下げの上限年齢が70歳までの方は最大で42%)増やすことができます。
ここで厚生年金受給者である会社員・公務員の方に覚えていただきたいのは、老齢基礎年金・老齢厚生年金それぞれについて増額することができるということです。
もちろん、どちらか一方のみ繰下げするという方法をとっても構いません。
年金の繰下げ受給の手続きは、66歳からとることができるようになります。
請求時の年齢ごとの繰下げ増額率は、下図の早見表を参照ください。