トランプ氏の米国大統領就任が決定したのが2016年11月9日。それ以降、トランプ氏の発言内容で為替相場や株式市場をなど、資本市場は大きく翻弄されることになりました。しかし、日本の投資家には結果的に恩恵を受けた方も少なくないのではないでしょうか。
一方、足元では米国の株式市場が一時的に軟調となり、これからどうなるのかと不安な方もいらっしゃるかと思います。今回は、これまでのトランプ相場を振り返りながら、どうすれば儲けることができるのかについて考えてみたいと思います。
トランプ相場のこれまでをざっくり復習
トランプ氏が米国の次期大統領に就任することが決定した際には、「この世の終わり」というような印象を持った方も多かったことでしょう。そうした不安を反映してか、為替や株式市場も大きく乱高下をしました。
しかし、2016年11月9日から現在までを振り返ってみると、TOPIXは約18%上昇しています。この数か月の間に18%というパフォーマンスを取れたということ自体は喜ばしいことだと思います。
また、東証33業種でいえば、21業種がTOPIXを上回るパフォーマンスを示しています。たとえば、海運業は+38%、石油・石炭製品も+38%、証券、商品先物取引業は+37%と、この期間に約40%も株価指数が上昇するという高パフォーマンスをたたき出す業種も存在しています。
マクロ経済見通しなどが株価に対して与える影響が大きい業種が多いため、なかなか事前に読めなかったかもしれませんが、株価指数の動向を見る限りではトランプ相場は相場の一つの転換点だったと言えます。
一方、パフォーマンスが良くない業種について見てみましょう。TOPIXに対してパフォーマンスが下回っている業種も12業種存在しますが、最もパフォーマンスの良くなかった不動産業でも株価指数そのものは+8%上昇しています。
つまり、トランプ相場でパフォーマンスがマイナスとなっている業種はないことになります。こうして見ると「トランプさまさま」だったと言えるかもしれません。
トランプ政策を信用して順張りで勝負
さて、多くの投資家が直面している悩ましい点は、まさにここからどうなるのかということに尽きると思います。
米国が内向き志向を強め「America First(米国第一)」と声高に叫ぶ中、英国もEU離脱を宣言し、それ以外の国でも何やら自国第一志向を強める動きが加速しつつある様子も伺えます。
これまでのグローバル化が進むトレンドとは反対の潮流のようにも見え、”株式市場が今後どのように反応するのか見極めきれない”という考えの方も多いかと思います。
かつて日本で民主党が政権を取る時代が来ることを我々の多くが予想できなかったように、トランプ氏が米国大統領となりました。このように、各国の政治の流れはいつも極めて読みにくいものです。
ただ、これまでのトランプ相場のトレンドが今後も続く可能性が高いと考える人は、これまでパフォーマンスが好調だった業種や銘柄を中心に保有するという「順張り」スタンスが良いかもしれません。
とはいえ、「トランプ相場順張りポートフォリオ」は、投資信託のような既成品としての金融商品で購入できるものは少ないかもしれません。
ただし、これまでの業種の株価パフォーマンスとその業種を代表する銘柄を保有することで、個人投資家が自分でそうしたポートフォリオを構築することもできます。
今では、ネット証券の競争が激しいおかげで日本株の取引コストは非常に安くなりました。投資家はご自身で「トランプ相場順張りポートフォリオ」を作ってしまうというのも一つの手です。
トランプ順張り代表セクターと銘柄
では、どのセクターが順張りに該当し、どの銘柄が各業種を代表するような銘柄と言えるのでしょうか。
2016年11月9日の株価指数を100として、2017年3月28日終値で見ると、株価パフォーマンスのトップ5は、第1位が海運業、第2位が石油・石炭製品、第3位が証券、商品先物取引業、第4位が保険業、第5位がガラス・土石製品という順番になります。
また、それぞれの業種で時価総額が最も大きな銘柄をピックアップすると、商船三井(9104)、JXホールディングス(5020)、野村ホールディングス(8604)、東京海上ホールディングス(8766)、旭硝子(5201)ということになります。これらを「トランプ相場順張りポートフォリオ」の候補として検討してみるのはいかがでしょうか。
なお、東証33業種のパフォーマンスや各業種を代表する銘柄については、以下のリンクをご参照ください。
参考:「トランプ相場の潮目にどう対応すべきか。順張りか逆張りスタンスかを考える」-個人投資家のための金融経済メディアLongine(ロンジン)
まとめ
いかがでしたか。相場を振り返ることで、自分の投資テーマに合ったポートフォリオを作ることも簡単にできるようになりました。相場観に頼る運用というのはリスクもありますが、銘柄を分散したり個別銘柄のバリュエーション(株価評価)などにも留意することでリスクを管理することも可能です。
投資信託を購入するより少し手間がかかりますが、これに挑戦して動乱の株式市場を楽しむというのもありではないでしょうか。
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青山 諭志