より実態に近い中央値はいくら?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」から、年収300~500万円未満世帯の貯蓄を確認します。
年収300万円台世帯も含まれますが、平均とともに中央値も載っているので参考までに確認しましょう。
【年収300~500万円未満世帯】(金融資産非保有世帯を含む)
貯蓄平均1079万円・中央値420万円
- 金融資産非保有:17.9%
- 100万円未満:8.4%
- 100万円~200万円未満:7.3%
- 200万円~300万円未満:7.8%
- 300万円~400万円未満:4.9%
- 400万円~500万円未満:5.5%
- 500万円~700万円未満:7.4%
- 700万円~1000万円未満:6.4%
- 1000万円~1500万円未満:8.8%
- 1500万円~2000万円未満:6.5%
- 2000万円~3000万円未満:8.5%
- 3000万円以上:8.4%
- 無回答:2.3%
平均は先ほどと近い水準で約1000万円ですが、中央値は420万円まで下がりました。
内訳も見てみましょう。最も多いのは金融資産がゼロの世帯で約18%。次に「1000万円~1500万円未満」(8.8%)「2000万円~3000万円未満」(8.5%)「100万円未満」と「3000万円以上」(ともに8.4%)でした。
金融資産ゼロの世帯が17.9%であり、2000万円以上保有している世帯も16.9%と同じような割合です。貯蓄が二極化していることがうかがえます。
ご自身の世帯に合わせて貯蓄計画を立ててみよう
今回は年収400万台世帯の家族背景や貯蓄事情をみてきました。
平均を参考に自身の貯蓄が多いのか少ないのか、まずは見直してみると良いでしょう。
そして、自身の家族構成やライフイベントに落とし込み、今の貯蓄では不足しそうだと感じた場合にはもちろんのこと、将来の物価上昇を含めて考え、早めに資産形成を始めることが大切です。
確実に貯蓄をしたい方は、毎月給料日などに貯めていく先取り貯金が向いています。ただ、貯金だけでは増えない時代、つみたてNISAや iDeCoの制度も取り入れ資産運用をすることが良いでしょう。
運用は価格変動がつきものですが、投資の対象や買付の時期を分散し、長期間かけて積み立てていくことで、リスクを抑え、安定したリターンが期待できます。
資産形成は期間がとても大事です。実際に運用を始め、将来増えた資産に対して1年という運用期間は資産の増加に対して大きく影響します。
今のなんとなく過ごす1年が、老後の資産に大きく影響を及ぼすことが分かると早めにスタートをきるきっかけになるかもしれませんね。
時間は有限です。資産をつくる時間も有限です。限られた時間を有効に自身の資産形成を始めていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)詳細結果表(2020年(令和2年))」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」
齋藤 英里奈