事前に60代からの生活設計を考えておく

60代の住宅ローン残高は500万円以上という方も珍しくないことが分かりました。

住宅ローンの完済年齢は覚えていても、残高がいくらあるかは把握しきれていないというご家庭も多いでしょう。

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は5万6252円、厚生年金は14万4366円。

リタイアして年金生活になりながら、住宅ローンを返済していくのは負担も大きいですよね。

住宅ローンを完済する年齢にあわせて、60歳になったときの住宅ローン残高や、ご自身の働き方についても事前に考えておくことをおすすめします。

現代では、定年後も働き続ける方が増えています。

同調査によると、回答者全員のうち60代での現在(2019年6月1日時点)の仕事の有無をみると、「仕事をした」が 59.0%でした。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月公表)」

就業している人の従業上の地位・形態別の構成は以下の通り。

  • 「会社、団体などに雇われて仕事をしていた」(雇用者) 65.0%
  • 「商店、工場、農家などの自家営業や自由業 であった」(自営業主) 11.9%
  • 「会社、団体などの役員であった」(会社経営・役員) 11.5%
  • 「家業(自家営業)の手伝いをしていた」5.5%

60歳以降も住宅ローンを返済する必要がある場合、定年後の働き口について早いうちから考えておくと安心です。

また、定年後は現役時代とは月々の収入とともに支出も変わります。定年後に向けて、定年前から段々と生活水準を調整していくことも考えましょう。

ご自身で働くだけでなく、資産運用をとりいれて「お金に働いてもらう」方法を家計に取り入れるのもおすすめします。

運用にリスクはありますが、いつまで働けるかはわからないからこそ、お金に働いてもらう選択肢についても考えてみましょう。

今回の統計を参考に、この春、ご自身のライフプランやマネープランについて見直してみてくださいね。

参考資料

宮野 茉莉子