「地方公務員」それ以外の平均退職金の金額は?

参考までに、都道府県に勤める「一般職員のうち一般行政職」以外の、「60歳定年退職者の平均支給額」も見てみましょう。

  • 都道府県の教育公務員:2234万8000円
  • 都道府県の警察職:2196万6000円
  • 政令指定都市の一般職員のうち一般行政職:2161万1000円
  • 政令指定都市の教育公務員:2162万2000円

所属先や職種に関わらず、60歳で定年退職を迎える方の平均退職金額は2000万円を超えることがわかります。

また一部の地域を除き、ほとんどの場所で2000万円を超えていることもわかりました。

「公務員は安定している」というイメージは、あながち間違いではなさそうです。

公務員でも将来資金の準備は必要?

それでは退職金がある場合、老後の備えは必要ないのでしょうか。

実は公務員であっても、老後資金の備えは必要になるケースがほとんどです。かつては「共済年金」という3階建ての手厚い年金制度に加入していた公務員ですが、今では他の会社員と同じく厚生年金に加入しています。

独自に3階部分の年金を備える人もいますが、それでも「老後の資金は0円で大丈夫!」とは言えないでしょう。

公的年金は破綻することがないとされていますが、受給額が減少する可能性は十分にあります。

年金だけでは月の収支がマイナスになる場合、退職金を切り崩す生活になりますが、ここで問題なのは「今の現役世代が定年を迎える頃、同じ水準の退職金がもらえるかわからない」ということです。

退職金の制度が安定して運営されていれば2000万円超の退職金をもらえる可能性もありますが、公務員の給与水準は民間水準に合わせて定期的に改定されます。

リアルタイムに連動しないため「公務員はコロナの影響を受けなくてうらやましい」という声もあがりがちですが、民間の水準が下がれば数年後に調整されるということです。

もらえるかもしれないし、もらえないかもしれない。そのような状況においては、準備を進めておくに越したことがありません。いざ定年まで数年というタイミングで気付いても、できることは限られてしまうからです。

またキャリアの変更はいつ来るかもわかりません。終身雇用の時代が終わりつつある今、公務員でも転職してキャリアアップを目指す方もいます。

勤務先が変われば退職金事情も変わるため、将来の対策は万全にしておく方が安心でしょう。