日本の平均年収「年収400万円世帯」の貯蓄と負債はどのくらい?
先ほどの平均年収433万円という水準にあわせて、年収400万~450万円世帯の貯蓄と負債についてみていきましょう。
※参照:総務省「家計調査-貯蓄・負債編(二人以上の世帯)2020年」
■年収400~450万円世帯の貯蓄
貯蓄額…911万円
(内訳)
- 通貨性預貯金…290万円
- 定期性預貯金…286万円
- 生命保険…228万円
- 有価証券…88万円
- 金融機関外…18万円
■年収400~450万円世帯の負債
負債…555万円
(内訳)
- 住宅・土地のための負債…508万円
- 住宅・土地以外の負債…28万円
- 月賦・年賦:20万円
平均年収世帯の貯蓄は911万・負債が555万円ということで、貯蓄から負債を差し引いた純貯蓄は356万円です。
預金や生命保険・有価証券などに分散して資産を保有していることが分かります。
もしも不測の事態が起きても、1年程度のあいだ貯蓄から生活費・負債の返済をまかなえるような資産状況だと考えられるでしょう。
ただし、この年収450万円世帯の人員構成は3.23人(うち18歳未満人員:0.87人)、つまり、大学進学前の子どもがいる家庭ということになります。
進学費用など、まとまった支払いがあるとガクッと貯蓄が減ってしまう事も想定でき、十分な貯蓄があるというにはもう一歩といったところでしょうか。
とはいえ、冒頭の調査報告にあったように、働き盛り世帯の所得事情は個人のばらつきが目立つようになっています。
いまの収入からさらに効率よく貯蓄を増やしたいという方は、預金・生命保険・有価証券の配分を見直してみるといいかもしれません。
参考資料
尾崎 絵実
執筆者
短期大学卒業後、富国生命に入社。その後、大手保険代理店を経て、ファイナンシャルアドバイザー業務に従事。これまでに約1000以上の世帯からお金のご相談を受け、ファイナンシャル・プラニングを実施。常に最新の情報を把握するように努め、保険だけではなく、様々な金融商品を活用した総合的な資産運用を目指す。2020年 MDRT 日本会会員。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 編集長室
LIMO編集部記者/元新聞記者
担当分野
金融と社会保障分野の専門知識を生かし、主に公的年金(厚生年金保険と国民年金)、公的年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度など幅広くカバーしている。
信頼性の高い情報源をもとに、政策の変遷や最新の貯蓄トレンドを掘り下げた記事も手掛けているが、難解な情報を分かりやすく伝えることを意識している。
また、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなど、多岐にわたるテーマについて企画・編集・執筆している。
経歴
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場の大手IT企業でキャリアを開始。
その後、厚生労働省の記者クラブにて約3年間、医療保険制度や介護・高齢者福祉に特化した社会保障の専門紙で記者として働いた。
ここで社会保障分野に関する深い知識と実務経験を積み、複雑な制度の解説や政策を分析するスキルを磨いた。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営するくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、金融と社会保障分野に特化した記事を執筆している。
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最終更新日:2024年11月11日