「年金額をいくらもらえるのか、実際のところはわからない」
「厚生年金に加入しているから、十分な年金をもらえると思う」
年金に対する印象や知識は、人によって大きく異なります。中には「厚生年金の平均は14万円と聞いたことがあるから、国民年金と合わせればそれなりにもらえる」と誤解している方もいます。
しかし、こうしたあやふやな知識は危険です。将来の生活を支えることになる年金について、正しく知ることが必要です。
今回は厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、「何人の人がいくらの厚生年金を受給しているのか」を確認します。
リアルな金額を知ることで、将来のマネープランと向き合ってみましょう。
そもそも厚生年金とは?
まずは日本の公的年金制度をおさらいしましょう。厚生年金とは、2階建て構造になっている年金制度の2階部分にあたります。
会社員や公務員などは、厚生年金だけに加入するのではなく、1階部分である国民年金(老齢基礎年金)の上乗せとして加入します。
加入できるのは、常時従業員を使用する会社に勤務している70歳未満の一定の人。正社員に限らずアルバイトやパートでも加入できる条件があり、今後この条件も徐々に緩和される予定です。
保険料は報酬比例制で、納めた保険料と加入期間によって年金額が決定します。
ちなみに国民年金は保険料が一律ですが、厚生年金の加入者は国民年金保険料を単体で納める必要はありません。国民年金と合算した保険料を、給与天引きにて納めています。
収入額に左右される厚生年金の受給額。厚生年金のピンキリ事情は、こうした年金額の決め方が要因になるということです。