阿部寛さんが主演を務める、日曜劇場「DCU」がスタートしました。海上保安庁に新設された「DCU(Deep Crime Unit)」が舞台のドラマで、始まる前から期待の声が高まっていましたね。

そんな海上保安庁ですが、国家公務員であることをご存知でしょうか。”お役所”というイメージのある国家公務員にも、実はいろんな種類があります。

今回は、そんな国家公務員の「退職金事情」にフォーカスを当ててみました。なかなか知る機会のない公務員の退職金について、公的資料を参考に探ってみましょう。

国家公務員とは?

公務員は「国家公務員」と「地方公務員」にわかれ、それぞれ約58.8万人、約275.7万人が働いています。

国家公務員約58.8万人のうち、人事院勧告の対象となる給与法適用職員は約28.0万人。冒頭の海上保安官も、こちらに属します。

この約28.0万人が支給される退職金について見ていきましょう。

国家公務員の退職金はいくら?

内閣官房の「退職手当の支給状況」から、令和2年度退職者の「退職理由別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額」を確認します。

【図表】退職手当の受給者数と平均支給額1/1

【図表】退職手当の受給者数と平均支給額

【出典】内閣官房「退職手当の支給状況」

  • 常勤職員(受給者数2万9641人)
  • 平均支給額:1023万9000円

うち行政職俸給表(一)適用者(受給者数7140人)

  • 平均支給額:1507万4000円

※常勤職員…フルタイムで勤務する公務員のこと
※うち行政職俸給表(一)適用者…一般行政事務に絞った業種のこと

全体平均では2000万円に届かないようです。

退職理由ごとの退職金平均支給額

次は退職理由ごとの平均も見ていきましょう。

常勤職員

  • 定年:2142万1000円
  • 応募認定:2551万9000円
  • 自己都合:299万4000円
  • その他:193万5000円

うち行政職俸給表(一)適用者

  • 定年:2127万9000円
  • 応募認定:2276万円
  • 自己都合:384万9000円
  • その他:245万4000円

※応募認定…早期退職募集制度に基づく退職者のこと
※その他には、任期制自衛官等の任期終了(常勤職員)や死亡等による退職が含まれる

定年退職や応募認定では2000万円を超えました。自己都合等でない限りは、退職金として2000万円を見込めるのかもしれません。
ただし、平均値は一部の高い金額に引っ張られている可能性もあります。念のため、支給額別の受給者数も見ておきましょう。

支給額別の退職手当受給者数

支給額ごとの受給者数について、退職の理由ごとにまとめてみました。

受給者数:常勤職員/うち行政職俸給表(一)適用者

合計

  • 500万円未満:1万6205人/2116人
  • 500~1000万円未満:492人/115人
  • 1000万円~1500万円未満:981人/157人
  • 1500万円~2000万円未満:2819人/759人
  • 2000万円~2500万円未満:7234人/3562人
  • 2500万円~3000万円未満:1374人/413人
  • 3000万円~3500万円未満:96人/16人
  • 3500万円~4000万円未満:41人/0人
  • 4000万円~4500万円未満:169人/2人
  • 4500万円~5000万円未満:105人/0人
  • 5000万円~5500万円未満:54人/0人
  • 5500万円~6000万円未満:26人/0人
  • 6000万円~6500万円未満:39人/0人
  • 6500万円~7000万円未満:4人/0人
  • 7000万円~7500万円未満:1人/0人
  • 7500万円~8000万円未満:1人/0人
  • 8000万円以上:0人/0人

定年

  • 500万円未満:124人/37人
  • 500~1000万円未満:97人/11人
  • 1000万円~1500万円未満:510人/19人
  • 1500万円~2000万円未満:2042人/516人
  • 2000万円~2500万円未満:6218人/2940人
  • 2500万円~3000万円未満:1080人/232人
  • 3000万円~3500万円未満:42人/3人
  • 3500万円~4000万円未満:15人/0人
  • 4000万円~4500万円未満:63人/2人
  • 4500万円~5000万円未満:24人/0人
  • 5000万円~5500万円未満:10人/0人
  • 5500万円~6000万円未満:2人/0人
  • 6000万円~6500万円未満:20人/0人
  • 6500万円~7000万円未満:4人/0人
  • 7000万円~7500万円未満:0人/0人
  • 7500万円~8000万円未満:0人/0人
  • 8000万円以上:0人/0人

応募認定

  • 500万円未満:3人/1人
  • 500~1000万円未満:13人/3人
  • 1000万円~1500万円未満:24人/11人
  • 1500万円~2000万円未満:269人/87人
  • 2000万円~2500万円未満:799人/573人
  • 2500万円~3000万円未満:279人/175人
  • 3000万円~3500万円未満:50人/13人
  • 3500万円~4000万円未満:22人/0人
  • 4000万円~4500万円未満:99人/0人
  • 4500万円~5000万円未満:55人/0人
  • 5000万円~5500万円未満:24人/0人
  • 5500万円~6000万円未満:10人/0人
  • 6000万円~6500万円未満:5人/0人
  • 6500万円~7000万円未満:0人/0人
  • 7000万円~7500万円未満:0人/0人
  • 7500万円~8000万円未満:0人/0人
  • 8000万円以上:0人/0人

自己都合

  • 500万円未満:5795人/976人
  • 500~1000万円未満:319人/87人
  • 1000万円~1500万円未満:387人/108人
  • 1500万円~2000万円未満:380人/109人
  • 2000万円~2500万円未満:131人/10人
  • 2500万円~3000万円未満:2人/0人
  • 3000万円~3500万円未満:2人/0人
  • 3500万円~4000万円未満:1人/0人
  • 4000万円~4500万円未満:0人/0人
  • 4500万円~5000万円未満:0人/0人
  • 5000万円~5500万円未満:1人/0人
  • 5500万円~6000万円未満:1人/0人
  • 6000万円~6500万円未満:0人/0人
  • 6500万円~7000万円未満:0人/0人
  • 7000万円~7500万円未満:0人/0人
  • 7500万円~8000万円未満:0人/0人
  • 8000万円以上:0人/0人

その他

  • 500万円未満:1万283人/1102人
  • 500~1000万円未満:63人/14人
  • 1000万円~1500万円未満:60人/19人
  • 1500万円~2000万円未満:128人/47人
  • 2000万円~2500万円未満:86人/39人
  • 2500万円~3000万円未満:13人/6人
  • 3000万円~3500万円未満:2人/0人
  • 3500万円~4000万円未満:3人/0人
  • 4000万円~4500万円未満:7人/0人
  • 4500万円~5000万円未満:26人/0人
  • 5000万円~5500万円未満:19人/0人
  • 5500万円~6000万円未満:13人/0人
  • 6000万円~6500万円未満:14人/0人
  • 6500万円~7000万円未満:0人/0人
  • 7000万円~7500万円未満:1人/0人
  • 7500万円~8000万円未満:1人/0人
  • 8000万円以上:0人/0人

「2000万円以上を受け取っている割合」をみると、全体で30.8%、行政職俸給表(一)適用者に限定すると55.9%でした。

定年退職では全体の約72.9%、行政職俸給表(一)適用者に限定すると84.5%が2000万円超という結果に。平均で見ても受給額ごとの分布で見ても、定年まで勤め上げれば「2000万円以上の退職金」をもらえる可能性が高そうです。

退職金とともに考えたい老後のカギ

日本国民を支える国家公務員の退職金事情を眺めてきました。民間企業よりも高めに感じるかもしれませんが、2000万円で老後は安泰であるとは決していえません。

「老後2000万円問題」が記憶に新しい方も多いと思いますが、当時は「2000万円では足りない」という声も一定数いました。老後に必要になるお金は個々で違います。まずは今回のように退職金の目安を確認しながら、老後の必要額を考えてみましょう。

備えが必要であれば、預貯金・資産運用・保険などで効率よく増やす必要があります。早めの対策がカギとなるので、しっかり情報収集をしましょう。

参考資料

太田 彩子