「しっかり・無理なく」老後に備えるためには?

今回は「年収400万円台世帯」の貯蓄事情について詳しく見てきました。

年収400万円台世帯の平均貯蓄額は約1000万円。一見「それなりに貯めている」印象を受けます。

しかし、貯蓄から負債を差し引いた純貯蓄額でみると、その額は200万円から300万円。リタイヤまであと少し、という年齢層であれば、その後の年金生活を意識した「老後のお金」について貯蓄ペースを見直す必要があるかもしれません。

また、住宅ローンやお子さんの教育費などが家計を圧迫し、なかなか老後の貯蓄にまで手が回らない、という世帯も多いでしょう。こうした「目前の出費」をやりくりしながら、自分たちの老後に備えるためには、どうしたらよいのでしょうか。

有効な方法のひとつは、「お金に働いてもらう」資産運用の検討です。超低金利が続くいま、銀行などの預貯金につく利息はほんのわずか。お金を増やすことには残念ながら繋がりません。こんな今こそ資産運用でお金を育てる視点を持つ好機であると筆者は考えます。

資産運用・投資といった言葉に、「損をすることもあるでしょ?」「お金を増やすなんてちょっと怖い」といったイメージをお持ちの方も多いでしょう。

確かに、資産運用にリスクはつきものです。しかし10年、20年といったスパンの「長期運用」を行うことで、運用成績が安定し、元本割れをおこすリスクを抑えることも可能です。

一括で大きなお金を資産運用につぎ込んでしまうことはお勧めできません。価格が下落したときに資産が大幅に目減りする可能性もあります。

積立投資であれば「価格が高いときには少なく、安いときには多く」購入しますので、購入単価が平準化され(ならされ)、価格の変動リスクを低減する効果も期待できます。

ワンコインから始められる金融機関もあります。「投資が不安……」と感じている人は、少額からスタートしてみるのもひとつの手でしょう。

先行き見えないコロナ禍。「おうち時間」が増える年末年始は、ぜひ将来に向けたマネープランについて情報収集をしててみてくださいね。不安のない明るい老後を迎えるための、最初の一歩となるでしょう。

参考資料

鶴田 綾