50代といえば、キャリアの最盛期を迎える方も多い年代です。責任のある役職も就き、忙しいなかにもやりがいをもって仕事に精を出している人も多いでしょう。
また、収入も高い水準となり、住宅費用や学費の支払いにもめどがついてくるころです。
ただ一方で迫ってくるのが、老後の生活です。「今の貯蓄で老後の生活は乗り切れるだろうか」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、50代の人がいくら貯蓄しているのか、そして借金はあるのかといった「お金事情」をみていきます。
50代の貯金は800万円が「中央値」
2021年1月に公表された「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」(金融広報中央委員会)をもとに、50代の貯金事情をチェックしていきます。
50代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均値…1684万円
- 中央値…800万円
コラム:平均値と中央値
平均値はすべての数値をならしたもので、極端な数値(「超富裕層」または「貯蓄ゼロ」など)の影響を受けやすい特徴があります。
一方、中央値は数値を順に並べたときに、真ん中に位置する数値を指します。このため、中央値の方がより現実を反映した数値と言えるでしょう。
平均値と中央値で800万円、約2倍の差があることがわかります。50代の中でも貯蓄の多寡に大きくばらつきがあると言えそうです。
2019年に金融庁のレポートから端を発した「老後2000万円問題」が記憶に新しい人もいると思いますが、平均値・中央値ともに2000万円には届いていません。あくまで目安ではあるものの、老後の生活を豊かに暮らすのはなかなか難しいのかもしれませんね。