皆さんは、周りの人がどれぐらい貯蓄をしているのか、気になったことは何度かあるのではないでしょうか?
とはいえ、お金の話は親しい間柄であってもなかなか話題に出しにくいものです。
筆者は10年以上、大手金融機関で勤務しておりました。今回はその経験を踏まえ、40代から50代にかけての「働きざかり世帯」の貯蓄平均について、お話ししてまいります。
40代~50代の貯蓄事情
さいしょに、40代~50代の貯蓄平均額を見ていきましょう。
40歳代・50歳代の貯蓄額について、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和2年)を参考に見ていきます。
二人以上・金融資産保有世帯の「金融資産保有額」分布
【40歳代】
- 100万円未満:10.1%
- 100~200万円未満:7.5%
- 200~300万円未満:8.5%
- 300~400万円未満:5.9%
- 400~500万円未満:6.2%
- 500~700万円未満:10.1%
- 700~1000万円未満:10.4%
- 1000~1500万円未満:14.7%
- 1500~2000万円未満:8.5%
- 2000~3000万円未満:5.9%
- 3000万円以上:8.8%
- 無回答:3.6%
平均:1177万円
中央値:686万円
【50歳代】
- 100万円未満:7.4%
- 100~200万円未満:6.1%
- 200~300万円未満:6.1%
- 300~400万円未満:3.2%
- 400~500万円未満:4.0%
- 500~700万円未満:9.5%
- 700~1000万円未満:10.6%
- 1000~1500万円未満:13.5%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:12.5%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:4.5%
平均:1955万円
中央値:1000万円
貯蓄額のボリュームゾーンは、40歳代も50歳代も1000~1500万円未満の分布でした。
平均と中央値に関しては、それぞれ50歳代の方のほうが多く、金額としては平均値が778万円、中央値が314万円高くなっています。
平均と中央値について
平均は対象の数字の総和を対象の個数で割って求める値のため、上位の数字に影響され、値が高くなる傾向があります。一方、中央値は単純に対象の数字を並べて真ん中にくる数値のため、中央値の方が比較的、実態に近い値と考えられます。
やはり一般的には年齢が上がる方が貯蓄額の中央値が増加する傾向があり、40歳代では686万円、50歳代では1000万円が貯蓄額の実態に近いといえそうです。