好意でくれていると思っていたら…

最後にご紹介するのは、50代女性Hさんのお話。Hさんには、近所になじみの喫茶店がありました。同年代の女性店主が営むその喫茶店で、ご近所の顔なじみと週に1度集まっては、モーニングを食べながらよもやま話をするのがHさんの楽しみだったそう。

「ある日、店主が『私、家庭菜園始めたの』とトマトやキュウリなど、野菜をみんなに配るようになったんです」

できすぎちゃうのよ…という店主の言葉を真に受け、ありがたく野菜を頂戴していたHさん。ある日、道でばったり喫茶店仲間にあったHさんは、思いもよらないことを聞かされます。

「『Hさんは野菜を渡しても、ただありがとう、って受け取るだけ。もらって当然って思ってるんじゃないかしら…って店主がこぼしてたけど、あなた、お礼していないの?』って言われてびっくり! どうやらみんな、お菓子だの商品券だのお礼をしていたみたい。てっきり好意でくれていると思ったのに…」

それ以来、なんとなくその喫茶店から足が遠のいてしまった、というHさん。野菜と引き換えに友人をなくしてしまった…と意気消沈していました。

まとめ

安易に飛びついてしまうと、高い授業料を払わなければいけなくなる…というのもよくある話。「無料」であっても「ただ」では済まない、ということがよくわかる3人の体験談でした。

もし、あなたが「無料」という言葉に心躍らされそうになったときは、「それは本当に今の自分にとって必要なもの・必要なことなのか?」を立ち止まって考えるようにしましょうね。

大中 千景