半導体露光装置大手のオランダASMLは2021年通年の売上高見通しとして、前年比で2桁成長を見込んでいる。メモリー、ロジック向け双方で売り上げ増を見込むほか、EUV関連の売上高も前年比3割増を計画する。同社によれば、ロジックが前年比10%増、メモリーが同20%増、インストールベース事業が同10%増を計画。これに基づくと21年売上高は156億ユーロ規模となり、前年比12%増の2桁増となる見込み。EUVも金額ベースで58億ユーロを計画する。なお、具体的な販売台数見通しの開示はなかった。

EUVはDRAMでも採用期待

 EUVは20年に31台(前年実績26台)を販売。金額ベースでも45億ユーロを確保した。EUV事業に関する収益性は上昇・改善傾向にあり、システム単体の粗利益率は約4割を確保しており、サービス分野も黒字化を達成できているとしている。

 EUVはロジックの5nm世代から本格的に採用が進み、3nmからはさらに適用レイヤー数が増える見込み。さらに今後はDRAM分野での採用も期待されている。現状、EUVリソグラフィーはシングルパターニングであるもの、同社によれば今後DPT(ダブルパターニング)プロセスが導入される予定。

高NA製品の投入も計画

 さらにその先には、現状のNA=0.33を上回る高NA対応製品の投入も予定している。高NA製品は21年からモジュールインテグレーションを開始し、23年から最初のシステムを顧客サイトに導入する。高NA対応に関しては今年開催予定の投資家向け説明会で情報のアップデートが行われる見込み。

 20年第4四半期(10~12月)実績のうち、受注高は42.4億ユーロ(前四半期比48%増/前年同期比76%増)。うちEUV受注台数は6台で金額ベースでは10.7億ユーロを記録した。売上高は42.5億ユーロ(同7%増/同5%増)で、うち装置単体売上高は約32億ユーロとなった。内訳はロジックが72%、メモリーが28%。

電子デバイス産業新聞 副編集長 稲葉 雅巳