大塚HD、3Qは増収増益 グローバル4製品増収および経費効率化により事業利益は前年比+20.7%

2020年11月13日に行われた、大塚ホールディングス株式会社2020年12月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:大塚ホールディングス株式会社 取締役CFO 牧野祐子 氏
大塚ホールディングス株式会社 執行役員 経営企画部長 江村智博 氏

決算ハイライト|2020年度 第3四半期

牧野祐子氏(以下、牧野):それでは2020年度第3四半期の連結業績についてご説明いたします。

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4ページをご覧ください。まずはじめに、2020年度第3四半期における決算ハイライトについてご説明いたします。新型コロナウイルス感染の拡大が未だ収束せず、当社グループの事業活動もその影響を受けておりますが、その中においても連結売上収益は3.7パーセント増収の1兆670億円となりました。

医療関連事業は患者の受診抑制などの影響から輸液等の事業は減収となりましたが、グローバル4製品が20.1パーセント成長し、連結業績を牽引しております。NC関連事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大および日本の天候不順の影響により、機能性飲料等が影響を受けておりますが、一方でネイチャーメイド、デイヤおよびエクエルが引き続き成長した結果、前年同期と同水準まで回復してきております。また一層の経費効率化による効果もあり、事業利益は20.7パーセントと大幅に増加いたしました。

通期の連結業績の見通しにつきましては、事業利益は8月に公表した計画から更に200億円の上方修正を行っております。また通期の当期利益は「グアデシタビン」および「バダデュスタット」の減損損失を計上したものの、前年比18パーセント増の1,500億円となり、8月に公表した計画値どおりの見込みでございます。

連結業績の概要|2020年度 第3四半期

5ページをご覧ください。続きまして連結業績の概要についてご説明いたします。先ほどご説明したとおり、主に医療関連事業におけるグローバル4製品の伸長により、連結売上収益は3.7パーセント増収の1兆670億円となりました。

また重要な業績目標の1つである研究開発費投資前事業利益は11.8パーセント増益となり、事業利益・当期利益もそれぞれプラス20.7パーセント、プラス14.6パーセントと大きく増加いたしました。

連結業績|事業利益

6ページをご覧ください。このスライドは事業利益の前年との差異を示したものです。先ほどご説明したとおり、医療関連事業における自社創薬品であるグローバル4製品の貢献により、売上収益が382億円増加、事業利益は20.7パーセント増加し1,887億円となりました。なお、医療関連事業とNC関連事業の事業利益の増減要因につきましては、参考資料にございますのでご覧ください。

連結業績|営業利益

7ページをご覧ください。次に営業利益についてご説明いたします。フェーズ3試験の結果を受け、第3四半期に「グアデシタビン」で107億円、「バダデュスタット」で141億円の減損損失をそれぞれ計上しております。一方、その他営業収益の増加により営業利益としては159億円の増加となりました。

連結業績|事業セグメント別の売上収益と事業利益

8ページをご覧ください。続いて事業セグメント別の売上収益・事業利益についてご説明いたします。医療関連事業が前年同期比で売上収益プラス6.3パーセント、事業利益プラス23.4パーセントと大きく伸長し、連結業績の増収増益を力強く牽引しております。NC関連事業は新型コロナウイルス感染拡大の影響や日本の天候不順の影響もありましたが、売上収益および事業利益は前年同期並みに回復いたしました。

医療関連事業|売上収益

ここから医療関連事業とNC関連事業についてご説明いたします。9ページをご覧ください。まず医療関連事業の売上収益です。グローバル4製品の売上は前年同期比で20.1パーセント増加して3,255億円となり、引き続き増収に大きく貢献いたしました。

一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響による患者の受診抑制や、手術件数の減少および病床稼働率の低下が第3四半期でも継続しており、輸液や一部の治療薬が影響を受けました。以上の結果、売上収益は6.3パーセント増加の7,151億円となりました。

ジンアーク|ADPKD治療へのさらなる貢献と製品価値の最大化

10ページをご覧ください。医療関連事業の中で米国ジンアークの進捗状況についてご紹介いたします。2020年度第3四半期の売上は165ミリオンUSドルと順調に推移しております。新規患者数の増加スピードは、新型コロナウイルス感染拡大による非常事態宣言の影響を受けましたが、営業活動の再開により第3四半期では回復傾向にあります。

NC関連事業|売上収益

11ページをご覧ください。次にNC関連事業の売上収益についてご説明いたします。機能性飲料等は新型コロナウイルス感染拡大に伴う消費者の活動量の低下および日本の天候不順の影響等により「ポカリスエット」の売上が減少いたしました。

機能性食品において、N&S社は欧州の都市封鎖や外出規制等の影響を受け減収いたしました。一方、デイヤは北米におけるチーズ代替品の市場成長および家庭内需要の増加により増収となりました。

サプリメントにおいて、ネイチャーメイドは消費者の体調管理への意識の高まりに伴い、ビタミン剤などの製品を中心に第2四半期に引き続き順調に推移いたしました。エクエルは幅広い情報提供活動により製品の認知が進み、売上が順調に成長しました。以上の結果からNC関連事業の売上収益は前年同期と同水準まで回復し、2,528億円となりました。

北米市場|ネイチャーメイドおよびデイヤ

12ページをご覧ください。ネイチャーメイドとデイヤの北米市場における四半期ごとの売上上昇率の推移についてご紹介いたします。新型コロナウイルス感染拡大の状況においても、両製品ともに20パーセント以上の売上上昇率を達成しております。これは先ほどのスライドでご説明した要因に加え、自社のプロモーション活動や生産体制強化を加速させた結果であり、第2四半期に引き続き第3四半期でも好調が続いております。

2020年度 連結業績の見通し

13ページをご覧ください。2020年度の連結業績の見通しです。第2四半期に引き続き、この第3四半期にも通期計画を修正いたしました。売上収益は主にグローバル4製品の順調な成長を踏まえて、医療関連事業を100億円増額し1兆4,200億円を計画しております。

なお、医療関連事業以外のセグメントの売上計画は変更しておりません。事業利益は医療関連事業の伸長および経費効率化の推進により200億円増額し、2,200億円の計画としております。以上、第3四半期の連結業績の説明でございました。

独自のトータルヘルスケア企業だからできる新たな社会貢献

14ページをご覧ください。最後にアフターコロナ時代に向けた取り組みについてご説明いたします。医療関連事業ではリアルとデジタルの融合によるハイブリッド型情報提供活動により、今まで以上の営業活動を推進しております。

NC関連事業におきましてはリモート商談を活用し、これまでよりも付加価値の高い情報を顧客に提供できるようになり、密度の高い商談が実現でき、スピードアップにも貢献しております。また、新型コロナウイルス抗原測定キット「クイックナビ COVID19 Ag」をデンカ株式会社とともに発売いたしました。

以上のような独自のトータルヘルスケア企業としての強みを活かした、従来からの新しい価値創造に向けた取り組みをニューノーマルで更に加速させることで、世界の人々の健康に貢献してまいります。ありがとうございました。

2020年度第3四半期における主な進捗(2020年9月末時点)①

江村智博氏(以下、江村):それでは医療関連事業における開発品のアップデートについてご報告申し上げます。21ページをご覧ください。2020年9月末時点における開発品の主な進捗状況でございます。後発事象として「OPC-61815」につきまして、心性浮腫を対象としたフェーズ3試験でポジティブな結果が得られております。この第3四半期において承認されたものが3つございます。

がん領域では「INQOVI」が7月に米国にて、骨髄異形成症候群および慢性骨髄単球性白血病の適応で承認されました。精神・神経領域において、双極1型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制で開発していた「エビリファイ持続性水懸筋注用」が9月に日本にて承認されました。「エネフリード輸液」は日本で初めて、糖・電解質・アミノ酸に加え、脂肪および水溶性ビタミンをダブルバッグに一剤化した末梢静脈栄養輸液で、9月に承認されました。

本年1月にフェーズ2/3試験でポジティブな結果が得られた「フレマネズマブ」は、7月に日本にて片頭痛発作の発症抑制の適応取得を目的に、承認申請いたしました。同じく本年3月に国内フェーズ3試験でポジティブな結果が得られた「ジファミラスト」は、9月に日本にてアトピー性皮膚炎の適応取得を目的に承認申請いたしました。

2020年度第3四半期における主な進捗(2020年9月末時点)②

22ページをご覧ください。こちらはフェーズ3、フェーズ2試験に移行した開発品の一覧です。骨肉腫患者さんを対象に進めております「TAS-115 pamufetinib」のフェーズ3試験が開始されました。そのほかビステラ社が創製した「VIS649」はIgA腎症、抗がん剤として開発中の「フチバチニブ」と「ポナチニブ」はそれぞれ特異的遺伝子異常のあるがん患者さんを対象にしてフェーズ3試験が開始されました。

2020年度第3四半期における主な進捗(2020年9月末時点)③

23ページをご覧ください。こちらは新しく認証試験を開発した開発品になります。すべてがん領域のものとなりますが、自社品同士の併用試験を含めて主に血液がんの患者さんを対象とした開発を進めております。

欄外に記載しております「グアデシタビン」は、日本・米国・欧州にて急性骨髄性白血病AMLと骨髄異形成症候群MDS、そして欧米で卵巣がんについて開発しておりましたが、今回のAMLとMDSのフェーズ3試験の結果を受けて総合的に判断した結果、すべての対象疾患における開発を中止することといたしました。

トピックス OPC-61815(循環器・腎領域)

24ページをご覧ください。今回ご紹介するトピックスは2つございます。1つ目のトピックスといたしまして「OPC-61815」についてご紹介いたします。本剤は大塚製薬が創製したバソプレシンV2-受容体拮抗剤で、トルバプタンのプロドラッグ製剤となります。

トルバプタンは国内でサムスカの製品名で販売されている経口剤でございますが、この「OPC-61815」は静脈内投与後、速やかにトルバプタンへと加水分解されます。この度、心性浮腫の患者さんを対象としたフェーズ3試験を実施し、最終投与時の体重のベースラインからの変化量について主要評価項目を達成いたしました。

また、安全性についても大きな問題は認められませんでした。心不全は急性期の患者さんなど、経口投与が困難な患者さんもいらっしゃることから、静脈内投与可能な製剤が望まれております。静脈内投与可能な本剤が心性浮腫の患者さんの治療における、新たな治療選択肢の1つとなることを期待しております。

トピックス 転移性脳腫瘍に対する開発(がん領域)

25ページをご覧ください。次のトピックスについてお話しさせていただきます。大鵬薬品とMD Anderson Cancer Centerが転移性脳腫瘍を含む治療の開発で提携いたしました。米国では約20万人の転移性脳腫瘍患者さんが新たに診断されています。転移性脳腫瘍は化学療法では効かないことが多く、外科的切除や放射線治療を行っても患者さんの予後は非常に悪い疾患でございます。

脳転移は肺がん、もしくは乳がん由来が大部分を占めます。今回の提携により、大鵬薬品の前臨床などにより、MD Andersonのプラットフォームが持つトランスレーショナルリサーチの能力と、Brain Metastasis Clinicが持つ臨床開発基盤の両方が加わることになります。今回の提携により転移性脳腫瘍に対する新規治療法の開発が加速することを確信しております。

重要開発品のフェーズ3試験|終了予定時期

26ページをご覧ください。重要な開発品のフェーズ3試験の終了予定時期をお示しします。欧米におけるADに伴うアジテーションについて開発中の「ブレクスピプラゾール」の試験は、より成功確率を上げるべく症例数を追加して実施することとし、21年第2四半期に中間解析を、22年前半には試験を終了する予定です。

そのほか当社における重点領域である精神・神経、がん領域において持続的成長の実現に大きな貢献を期待しているプログラムがございますが、成功例に導けるよう着実に進めてまいります。

2020年度の主な申請・フェーズ3移行プロジェクト進捗

27ページをご覧ください。最後に2020年度に予定しております、主な申請およびフェーズ3移行プロジェクトをお示しします。「グアデシタビン」の開発中止により、本年度は申請済み・予定合わせて3プロジェクトになりました。

フェーズ3移行済み予定は4プロジェクトございます。また参考資料として主な開発品を領域ごとに掲載しております。あわせてご参照ください。以上、医療関連事業の開発状況についてご報告申し上げました。どうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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