2020年11月13日に行われた、株式会社かんぽ生命保険2021年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社かんぽ生命保険 経営企画部IR室長 伊牟田武郎 氏
中間決算サマリー
伊牟田武郎氏:かんぽ生命の伊牟田です。本日は、かんぽ生命の2021年3月期中間決算電話会議にご参加いただきありがとうございます。初めにお手元の資料に沿って決算概要をご説明し、その後、質疑応答とさせていただきます。
1ページをご覧ください。今回の決算のポイントはご覧のとおりです。新契約の減少に伴う事業費等の減少などにより、経常利益は前年同期比で15.0パーセント増の1,627億円、中間純利益は前年同期比で22.8パーセント増の936億円となりました。
業績予想に対しては、経常利益が81.4パーセント、当期純利益が75.5パーセントの進捗となりました。
2020年5月15日に公表している2021年3月期の業績予想の策定に当たっては、2020年3月末時点の経済前提を用いていたことから、株式の減損を相応に想定していたこと、また、保険金等支払いが想定よりも減少していることなどを背景に、経常利益、当期純利益ともに業績予想対比で高い進捗率となっています。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明であり、今後も引き続き株価の低下や保険金等支払いの増加の可能性があります。その場合における経常利益、当期純利益への影響を考慮し、2021年3月期の業績予想の修正は現時点では行いません。今後、業績予想の修正が必要になった場合には速やかに公表します。
新契約実績について、前年同期は2019年7月中旬まで通常営業を行っていましたが、2021年3月期第2四半期は2019年7月中旬以降の積極的な営業活動の自粛を継続していたことから、個人保険の新契約年換算保険料は前年同期比で88.6パーセント減の150億円となりました。
また、第三分野の新契約年換算保険料は、前年同期比で96.7パーセント減の6億円となりました。EVは前期末から金利および株価の上昇などにより12.3パーセント増加し、3兆7,341億円となりました。第2四半期のEVおよび新契約価値は、第三者の検証を受けていない試算値であることにご留意ください。
21年3月期 第2四半期の業績(前年同期比)
2ページをご覧ください。今期の業績の状況はご覧のとおりです。
21年3月期 第2四半期の業績(前年同期からの変動要因:単体ベース)
変動要因についてご説明します。3ページをご覧ください。2021年3月期第2四半期の業績の変動要因を記載しています。順ざやが減少したものの、新契約の減少に伴う事業費等の減少および2020年3月期に計上した引当金の戻入などにより、基礎利益は前年同期を上回る2,265億円となりました。
基礎利益の増加により、単体ベースでの経常利益は1,622億円、中間純利益は933億円となりました。
契約の状況〔新契約年換算保険料〕
4ページをご覧ください。ここからは契約の状況についてご説明します。当社は2019年7月中旬までは通常営業を行っていましたが、第2四半期は昨年度から引き続き積極的な営業活動の自粛を行っていました。
そのため、個人保険の新契約年換算保険料は前年同期比で88.6パーセント減の150億円、第三分野の新契約年換算保険料は前年同期比で96.7パーセント減の6億円となりました。
契約の状況〔保有契約年換算保険料〕
5ページをご覧ください。個人保険の保有契約年換算保険料は4兆1,001億円となり、前期末から5.1パーセント減少しました。第三分野の保有契約年換算保険料は6,911億円で、前期末から3.4パーセントの減少です。
資産運用の状況〔資産構成〕
6ページをご覧ください。資産運用の状況についてご説明します。スライド左側の表のとおり、昨今の超低金利環境の継続を受け運用資産の多様化を進めてきた結果、株式や外国債券などの収益追求資産の残高は10兆4,739億円で、総資産比は14.9パーセントとなりました。
スライド右側の表のとおり、平均予定利率は1.69パーセント、利子利回りは1.79パーセントとなり、301億円の順ざやを確保しました。
また、為替変動リスクのヘッジに伴う金融派生商品は前年から減少したものの、2020年2月以降のコロナショックにより市場が大きく混乱した影響を受け、金銭の信託で保有する株式の減損が生じたことなどにより、キャピタル損益は590億円の損失となりました。
資産運用の状況〔有価証券の時価情報〕
7ページをご覧ください。有価証券の時価および含み損益の状況を示しています。今期は2020年3月末と比較して市場環境が改善したため、会計上、時価評価されるその他有価証券の差損益は1兆476億円の含み益を計上しています。
経費の状況
8ページをご覧ください。経費の状況についてご説明します。事業費は1,962億円となり、このうち6割程度を日本郵便へ支払う委託手数料、および郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構に支払う拠出金が占めています。
2019年7月中旬以降の積極的な営業活動の自粛、および2020年1月から3月までの業務停止の影響から、委託手数料は前年同期比で457億円減の953億円となりました。拠出金を含めた総額は前年同期比で465億円減の1,233億円、減価償却費は24億円増の304億円となりました。
EVの状況
10ページをご覧ください。EVの状況についてご説明します。当期末のEVは3兆7,341億円となり、前期末から4,098億円増加しました。修正純資産は主に純利益により、前期末比で904億円増の2兆3,028億円となりました。保有契約価値は金利および株価の上昇などにより、前期末比で3,194億円増の1兆4,312億円となりました。
当期の新契約価値は、4月から9月の金利水準の平均に近い2020年9月末の経済前提を用いて算出しています。新契約価値は、当該期間において積極的な保険商品のご提案を控えた一方、新契約獲得にはその多寡によらない一定の事業費等が必要となるため、マイナス15億円となりました。
また、新契約マージンはマイナス1.2パーセントです。第2四半期のEVおよび新契約価値は、第三者の検証を受けていない試算であることにご留意ください。
21年3月期 連結業績予想
11ページをご覧ください。2021年3月期の連結業績予想についてご説明します。先ほどご説明したとおり、第2四半期は経常利益、当期純利益において連結業績予想に対し高い進捗となっていますが、現時点において当期の連結業績予想の修正はありません。
株主還元
12ページをご覧ください。DPSなど株主還元について、その推移を示しています。こちらも現段階で内容に変更はありません。以上で、ご説明を終わります。