若い頃にはまったく気にならなかった、室内の段差につまずいたり、最寄り駅までの距離がしんどくなったり・・・といった困りごと。年齢を重ねると、そういった類いの不安が増えてくる人は多いはず。
「最適な住まい」の条件は、世代ごとに異なってくるといえるでしょう。リタイヤ後に、買い物に便利な立地や、バリアフリーを重視した転居を検討する、という世帯も少なくないのでは?
そこで、今回は、内閣府の「平成30年(2018年)度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(概要版)」より、60歳以上の住まい事情に関するデータをみていきます。
60歳以上「住まいに不安がある人」賃貸派では3割超。
将来の住まいに関して不安を感じていることがある人は26.3%。不安と感じている人の割合を住居形態別に見ると、賃貸住宅(計)では 36.5%と、持家(計)の 24.9%に比べて高くなっています。
では、60歳以上のみなさんは、「将来の住居について」具体的にはどのような不安を感じているのでしょうか。
「住まいに関して不安だと感じていること」
全体(n=491)
- 「高齢期の賃貸を断られる」・・・3.0%
- 「高齢期の賃貸を断られる」以外で転居先が決まらない・・・1.0%
- 虚弱化したときの住居の構造・・・27.3%
- 世話をしてくれる人の存在・・・23.0%
- 家賃等を払い続けられない・・・3.3%
- 住宅の修繕費等必要な経費を払えなくなる・・・22.8%
- その他・・・18.7
全体でみると上記のような結果となります。これをさらに住居形態別にみると、「賃貸(計)」はでは「高齢期の賃貸を断られる」(19.5%)「家賃等を払い続けられない」(18.2%)という回答が高くなっていることが分かりました。
では、「賃貸住宅の入居を断られた経験がある人」の割合はどのくらいなのか。さまざまな属性ごとにみていきましょう。