慣れないお店に入る前や、お店に入って接客を受けているときの、あの気まず〜い感じ。でもせっかく買い物を楽しむチャンスなんだからなんとかしたい! ってなわけで、FACYでお客様目線に立った接客をしてくれている「アダム エ ロペ渋谷パルコ店」の神原啓助さんにアレコレ聞いてみた!

  神原啓助さん
アダム エ ロペ渋谷パルコ店に立って、今年で2年目。以前は、神職と装束司を務めていたという、アパレル業界でも珍しい経歴を持つ。モットーは言葉を大切にすること。「僕だけに使える言葉で、お客様にちょっとでも幸せを感じてもらえたらうれしいですね」


Q1. おしゃれすぎて入りづらいです…。やっぱり…慣れですか?

僕もそんな時がありました。初めは高校生の時。その時ってお金もないですし、入ったら冷やかしと思われるんじゃないかって…。でも友達と一緒に行くことで徐々に慣れていったのを覚えています。今の時代だったらお店のスタッフと事前にSNSでコミュニケーションを取っておくのも一つの方法じゃないですか? こちらも「あのコメントをくれた方か!」とスムーズにわかりますし、おそらくお客様自身もハードルが低くなると思いますよ。


Q2. お店のテイストと違う服装なんですけど、入っていいですか?

もちろんです! でも、その気持ち、わかります。僕もその時々で服装のテイストが変わってきた人間なので(笑)。ただ、違うテイストのものを着ることでファッションがより楽しくなるはずです。お店としても、ぜひともその手助けさせていただきたい! それが僕らの仕事であり、醍醐味ですから。


Q3. その日に着ている服が今から行くお店の服。ちょっと恥ずかしいような…。

むしろ、こちらとしてはありがたい限りです。お見かけしたら「いつもありがとうございます」とお伝えしたい。話しかけられなかったら…、きっとスタッフが恥ずかしがり屋なんでしょうね(笑)。というわけで、着ていただいた服をきっかけにぜひともお話させてください。それに合った服もご提案させていただきます。


Q4. 開いた服をうまく畳めないです…。

あるあるですね(笑)。それはもう、まったく気にしないでください! 僕らの仕事ですから。お客様にガンガン服を開いて、ご覧になっていただいて、気に入ってものを見つけてもらいたい。それが我々の本望ですから。というか、服を開かないで服を買うことなんて僕はできません(笑)。


Q5. 値段をいきなり見ちゃってもいいですか?

僕も全然やりますよ。値段の高さに驚いてその場からそっと去るとかね…。あとはその場で見ないで、試着室に入ってこっそり見るとかね…。逆にスタッフ視点としては、そのシーンで勉強させていただいてます。「あ、これでこの価格はダメなんだな」と。ただ、僕らとしてはその場を去る前に商品の価値を伝えられればなとも思います。どうしても説明が必要な服もありますから。なので、その機会を得ることができるか、スタッフの手腕が問われますね…(笑)。


Q6. 高い服なんで試着しづらいんですけど、いいですか…?

高い服だからこそ試着してください! もしご購入された場合、使っていく期間も長いと思います。そして大切なのは、お客様自身のキャラや肌に馴染むかどうかです。なので、じっくり吟味して、納得に至るまでとことん悩みましょう! 僕らがよく「ご試着だけでも」という言葉も、その意味でのことなんです。やっぱり身につけるものなので、試着してもらいたい。もちろん高い服に限らず、ガンガン試着してください!


Q7. 試着したけど気に入らなかった…なんて断るべきでしょうか?

「鏡の前で、あれ、ちょっと違うな」ってやつですよね。これはもう仕方のないことです。次の服にチェンジしましょう。ただ、お客様自身の慣れの問題もあって、こちら側から見たら「似合っているのに」と感じることもあります。それは、僕らがしっかり伝えなくてはいけないことですね。慣れるまでの時間、とことんお話させてください。そして何度も試着してもらって構いません。もちろん、また後日にご来店いただいた時にでも!


Q8. 試着時間のリミットはありますか?

ありませんよ! わざわざお店に訪れて気になる服を見つけたのですから、納得するまで試着しましょう!


Q9. 断り文句がいつも見つかりません…。

一消費者である自分たちもそれは理解していることなので、お気になさらず。ちなみに、うちは館なので「ちょっと他も見てきます」が多いですね。その時は、「どうぞ、いってらっしゃいませ!」という気持ちです。話し込んだお客様には「私はうちの商品が一番だと思っております。お客様がまた私のお店に戻ってくる姿が見えます」と冗談混じりで言う場合も(笑)。


Q10. 今日は買わないんです(今日はウィンドウショッピング)。

買う・買わないの決断は僕たちが決められることではないので、全然気にしないでください! というより、お店を見てもらえること自体だけでありがたいのです。それがオンラインにはない、実店舗の意味ですからね。またのご来店をお待ちしております!

[Illustration:adit]

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