株式市場の振り返り-円高を嫌気して小幅反落するも、終値で17,000円台を維持
2016年9月7日(水)の東京株式市場は反落となりました。日経平均株価は前日比▲0.4%の下落、TOPIXも▲0.2%の下落で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+1.9%上昇して8日続伸となりました。8日続伸は約2年3ヶ月ぶりです。
日経平均株価は、円高進行を受ける形で前日比▲144円安で寄り付き、その後すぐに▲178円安まで下落しました。しかし、そこから徐々に下げ幅を縮小し始め、大引け直前には一時▲57円安まで切り返しました。結局、大引けは▲69円安の17,012円で終わっています。終値では辛うじて17,000円台を維持しました。
東証1部で上昇したのは1,054銘柄、値下がり746銘柄、変わらず173銘柄でした。東証1部の出来高は19億1,584万株、売買代金は2兆1,267億円(概算)となっています。決して高水準ではありませんが、今週に入ってから続いていた薄商いからは脱したようです。
セクター動向と主要銘柄の動き-14業種が上昇、金融関連セクターが大きく売られる
東証1部(33業種)で上昇したのは14業種、下落したのは19業種でした。上昇率の上位には、ディフェンシブ業種が名を連ねており、主力セクターの名前を見ることはできません。他方、下落率の大きい業種には、銀行を始めとする金融関連が勢揃いしているのが特徴です。また、前日に続いて、素材関連も売られました。
個別銘柄では、電子部品株が不振で、村田製作所(6981)、TDK(6762)、ローム(6963)など軒並み値を下げました。指数寄与の大きい銘柄では、ファーストリティリング(9983)が大きく値を下げ、デンソー(6902)、JT(2914)、電通(4324)も安く終わっています。一方、任天堂(7974)が久々の大幅高となり、塩野義製薬(4507)も大きく値を上げました。また、中部電力(9502)と関西電力(9503)がいずれも大幅高となり、キーエンス(6861)やオムロン(6645)も上昇して終わりました。
東証マザーズ市場の動き-総合指数は連日の高値引けで約2年3ヶ月ぶりの8連騰
東証マザーズ総合指数は、寄り付き直後こそマイナスとなったものの、その後はほぼ一貫して上昇し続け、連日の高値引けとなりました。終わってみれば、+2%に迫る上昇となる8日続伸です。ちなみに、総合指数の8連騰は、2014年5月20日~6月3日に掛けて記録した11連騰以来となります。ただ、出来高は6,082万株、売買代金は1,042億円となり、いずれも前日より減少しました。売買代金が連日の1,000億円超えとなったものの、出来高が少ないことが気掛かり材料です。7月から導入された先物指数が影響している可能性があります。なお、騰落状況は、値上がり137銘柄、値下がりは76銘柄、変わらず9銘柄となりました。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)が大幅高となり、同じ時価総額の大きいミクシィ(2121)も上昇したことで、総合指数を牽引しました。ただ、CYBERDYNE(7779)は続落となっています。その他では、アルファポリス(9467)がストップ高となり、フリークアウト(6094)も値を飛ばしました。また、アイティメディア(2148)も大幅高となっています。全体的には、新興市場らしい値動きが徐々に戻り始めた印象もあります。
本日(9月8日)の注目点-メジャーSQを控えて動き難い中、ゲーム関連銘柄に注目
7日の日経平均株価は小幅反落となりましたが、円高進行を勘案すれば、底堅さの方が目立った展開だったとも言えます。ただ、今週金曜日のメジャーSQを控え、8日(木)も粗い値動きとなる可能性もあります。SQ値算出が終わる金曜日の前場までは、引き続き注意しておいた方がいいでしょう。
7日の個別株では、7月のポケモノミクス相場の主役だった任天堂が久々に急騰しました。これは、15日から始まる東京ゲームショー(TGS)に対する注目を増すことになります。8日は動き難い相場展開だと思いますが、ゲーム関連銘柄で出遅れ感の強いものに注目するのも悪くないと思われます。
新興市場は好調が続いており、東証マザーズ総合指数はついに8連騰となりました。ただ、物色テーマの乏しさ、及び、出来高の少なさなどから、この連騰記録に違和感を持つ人も少なくないと見られます。深追いし過ぎるのは危険かもしれませんので、十分注意して欲しいと思います。
青山 諭志