2020年10月15日に行われた、株式会社マネーフォワード2020年11月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社マネーフォワード 代表取締役社長 CEO 辻庸介 氏
2020年11月期第3四半期決算説明会
辻庸介氏:みなさま、こんばんは。マネーフォワードの辻でございます。本日はお忙しいところ、当社第3四半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
コロナ禍のため、本日もオンラインにて説明会をさせていただきたいと思います。それでは、さっそくですが説明を始めたいと思います。本日は、事業内容の説明、第3四半期の業績、その他の戦略的な取り組みというかたちでご説明します。
Mission
当社のMissionです。ご存知の方も多いと思いますが「お金を前へ。人生をもっと前へ。」ということで、テクノロジーの力を使ってお金の課題を解決していきたいという思いでビジネスを展開しています。
Mission / Vision / Value / Culture
また、Mission、Vision、Value、Cultureを非常に大事にし、これらを中心にビジネスを展開しています。
提供サービス一覧
現在、我々のドメインは大きく4つに分けています。「Money Forward Business」は、中小企業向けのクラウドを中心としたサービスを展開しています。また今回、入金消込などのサービスを展開する「V-ONEクラウド」がラインナップに加わってくれました。
そして、個人向けが「Money Forward Home」、金融機関向けのビジネスが「Money Forward X」、お金をいい方向へ動かすというミッションを掲げて新しい金融サービスを作っているのが「Money Forward Finance」です。
この四半期では、V-ONEクラウドとHIRAC FUNDが新たに加わりました。
ビジョン実現に向けたビジネスモデル
ビジョン実現に向けたビジネスモデルについてです。我々は国内最大級のデータ連携基盤、顧客基盤を活用しながら、スライドの右側に記載しているような士業、法人、個人事業主、また個人、金融機関など、さまざまな方々にサービスを提供しています。
マネーフォワードグループの競争優位性
当社グループの競争優位性はスライドのような点だと考えています。
1つ目ですが、先ほどお伝えした4つの複数ドメイン運営によるシナジーということで、事業領域及びサービス拡充がどんどん広がっていますので、我々がリーチできるマーケットも継続的に拡大するのではないかと思っています。
そして、ユーザーへの提供価値の拡大とブランド認知という意味でも、複数ドメイン運営により「マネーフォワード」の認知が拡大していると考えています。また、顧客の獲得単価「Customer Acquisition Cost」や、1顧客当たりの生涯価値「Life Time Value」が向上していくことが挙げられます。
2つ目に、「高いサービス開発力とデザイン力」と記載していますが、ご覧いただいたとおり、創業以来8年で非常に多くのサービスを展開しており、サービス開発のノウハウがかなり蓄積しています。
デザイン力も向上しており、複数サービスの共通のアカウントアグリゲーション技術とデータ基盤を活用しながら、サービスを作っています。ユーザーにとってよいデザインのサービスを作っていくための力がかなり付いてきていると思っています。
3つ目として、「強い企業文化と多様な人材」と記載しています。Mission、Vision、Value、Cultureを非常に大事にしている会社であり、非常に才能ある志高いメンバーがエンジニアやデザイナーとして活躍してくれています。さらに、これだけいろいろな事業を展開している中で、Sales&Marketing組織や、それを支えるバックオフィス、インフラ・コーポレート機能の存在も非常に大事になってきています。各部署で頼りになるメンバーと一緒に仕事ができており、「人こそがマネーフォワードの価値である」と思っています。
また、上場後に5社のM&Aを行っています。我々も手探りではありますがPMI(Post Merger Integration)のノウハウが蓄積しています。グループジョインしてくれた企業の起業家や経営陣がグループ全体の経営に参画してくれるため、かなり経営力が強化されたのではないかと思っています。この4点が、当社グループの主な競争優位性だと考えています。
全国に広がるパートナーシップ
「全国に広がるパートナーシップ」ということで、会計事務所や社労士事務所の4,300を超えるパートナー、100を超える商工会議所、37の金融機関など、日本全国の素晴らしいパートナーのみなさまと一緒に、お金の課題や社会課題を解決するサービスを提供していきたいと思っています。
以上が、我々のビジネスの簡単なご説明です。
2020年11月期第3四半期 ハイライト
こちらから本題に入らせていただきますが、第3四半期の業績をご説明します。第3四半期の累計売上高は前年同期比61パーセント増加の79億7,000万円で、売上総利益は前年同期比79パーセント増加の53億4,000万円で、高成長を継続しています。
期初に出させていただいた業績見通しに対して順調に進捗しており、業績見通しの変更は特にありません。また、広告宣伝費を除くEBITDAは黒字を継続しています。今回は、特にMoney Forward Businessドメインで法人ユーザーの獲得が加速しており、売上高は第3四半期累計で前年同期比74パーセント増加となっています。
第3四半期のストック売上の増加額ですが、第2四半期と比べて110パーセント増加と大きく成長しているのが今回のポイントだと思います。アール・アンド・エー・シー社(R&AC社)がグループジョインしてくれたため、その増加分もあるのですが、その影響を除いても63パーセント増加ということで、法人ユーザーの獲得が加速しています。
また、好調な法人ユーザー獲得の流れをさらに加速しようということで、すでに始まっている第4四半期の9月、10月、11月に、Money Forward Businessドメインで大型マーケティング投資を行う予定です。業績見通しのレンジ内での投資を予定していますが、第4四半期の投資は大きくなると想定しています。
そして、クラウド型入金消込サービスについてですが、国内で圧倒的ナンバーワンのシェアを持つR&ACを100パーセントグループ化しました。また、流動性の向上や個人株主の増加を目的として株式分割を実施予定です。
以上が、第3四半期の主なハイライトです。
3Q連結売上高は前年同期比+47%と高成長を継続
売上高についてです。ストックビジネスのため継続して順調に伸びており、前年同期比でプラス47パーセントになっています。
第2四半期から第3四半期では、合計額は若干落ちているのですが、こちらはMoney Forward XとMoney Forward Financeのフロー収益が減少したのが原因です。ただし、次のページでまたお話ししますが、最も大事なストック収益の伸びは加速しています。
特に、Money Forward Businessドメインが前年同期比でプラス61パーセントと高い成長率を実現しており、またMoney Forward Homeも前年同期比でプラス21パーセントとなっています。Money Forward Xが前年同期比でマイナス2パーセントとなっていますが、こちらは先ほどお伝えしたフロー収益の減少によるもので、ストック収益は成長しています。Money Forward Financeも、同じくフロー収益が減少していますが、予定どおりの着地です。
グループARRの成長が加速
グループARR(Annual Recurring Revenue)の成長が加速しています。我々はARRを非常に大事にしていますが、第2四半期から第3四半期にかけてさらに順調に加速しており、前年同期比でプラス45パーセント伸びています。
3Q累計BtoB売上高は、前年同期比+74%
それぞれのドメインで見ると、BtoBの累計売上高がプラス74パーセントということで高い成長率を実現しています。なお、Money Forward Financeがプラス164パーセント、Money Forward Xがプラス44パーセント、Money Forward Businessがプラス74パーセントとなっています。Money Forward Homeが若干伸びが弱いためテコ入れが必要ではあるものの、プラス20パーセントで成長しています。
売上総利益 / EBITDA(四半期推移)
売上総利益とEBITDAですが、ともに改善しています。若干ではありますが、売上総利益率は65パーセントから67パーセントに改善しています。EBITDAは、広告宣伝費を除くと3億500万円で、広告宣伝費を含めると約マイナス2億円となっています。
費用内訳(売上原価・販売費及び一般管理費)
費用は、第2四半期に比べて落ちています。第2四半期ではキャンペーン費用が集中して発生しておりましたので、その反動で減ったかたちです。また、先ほどお伝えしたMoney Forward Xのフロー収益に紐づく開発が第2四半期に集中していたため、その反動で外注費も同様に下がっています。
正社員数の推移
コストに大きく関わるのが正社員数ですが、R&ACがグループジョインして44名増加しています。今回はそこが一番大きなポイントです。
バランスシートの状況
バランスシートですが、現預金が90億円以上、純資産も100億円以上で、財務的には引き続き問題ないと思っています。また、第4四半期で一部の投資有価証券を売却し、売却益を計上します。
以上が全体のサマリーです。
Money Forward Business 20/11期 第3四半期ハイライト
ドメインごとのご説明となります。まずはMoney Forward Businessですが、先ほどからお伝えしているとおり、前年同期比でプラス74パーセントです。法人ユーザーの獲得は、会計事務所経由、WEB経由、直販のいずれも好調で、ストック売上の増加額が前四半期と比較してプラス110パーセントと大きく加速しています。
顧客当たりの売上高であるARPAは6万8,446円で、前四半期と比較して約10パーセント増加しています。こちらは、R&ACの影響を除いてもプラス5.8パーセントで、順調に増加しています。
解約率に関してです。確定申告シーズンになると個人のお客さまが多くなるため、どうしても解約率が上がるのですが、確定申告が終わって一巡した影響で、解約率は1.1パーセントと大きく改善しています。
月間経常収益であるMRRベースの解約率はマイナス1.2パーセントで、引き続きネガティブチャーンを実現しており、各指標ともヘルシーな状況だと認識しています。
2QからARPAが大きく増加、解約率も低下
ここまでお伝えした主なKPIは、こちらの一覧でお示ししています。
Money Forward Business 売上高推移
売上高推移ですが、ストックが順調に加速しています。また、R&ACのグループジョインも成長に貢献してくれており、第3四半期から売上が発生しています。
ARPAの増加が加速
ARPAについては、先ほどお伝えしたとおり6万8,446円で、前四半期比で約10パーセント増加しています。R&ACのグループジョインの影響分を除いても6万5,907円となっています。
顧客層に合わせたプロダクトとアプローチ体制を確立
顧客層に合わせたプロダクトとアプローチ体制の確立についてですが、我々はいろいろなサービスがあるため、一度整理させていただきます。
スライドの上側がお客さまの種別で、会計事務所や会計事務所の顧問先向けとしては、主に「マネーフォワード クラウド」シリーズ、記帳代行自動化サービス「STREAMED」、クラウド経営分析ソフト「Manageboard」を提供しており、主にフィールドセールスやWEB経由でご契約いただいています。直近では、会計事務所当たりの導入顧問先数が非常に増加しております。会計事務所にとって使っていただきやすいサービスをご提供できているかと思います。
スライドの中央が個人事業主向け、SME向けで、パーソナルプランとビジネスプランを用意しています。こちらは「マネーフォワード クラウド」の、さまざまなサービスが使えるお得なプランを提供しています。なお、こちらの個人事業主・SMEのお客さまへのアプローチは完全にWEB契約です。
個人事業主向けとしては、確定申告の時期が一番ユーザーが増える時期であり、現状の新規流入は(例年通り)落ち着いています。SME向けとしては、解約率の低下に寄与する年額プランの比率が上昇しています。また、申込数が非常に増加しているところが直近の状況です。
そして、新たに力を入れている中堅企業向けですが、「マネーフォワード クラウド」シリーズの会計Plus、給与、勤怠、経費、請求書、社会保険といったサービスに加え、今回グループジョインした「V-ONEクラウド」というサービスを提供します。こちらは、主にフィールドセールスやインサイドセールスといった「人」を介してお客さまにアプローチします。ラインナップ強化も発表したため、後ほどお伝えします。
顧客満足度&おすすめしたいクラウド会計ソフト No.1
ありがたいことに、第三者調べで「顧客満足度&おすすめしたいクラウド会計ソフト No.1」に選んでいただきました。
プロダクトのクオリティ向上が何より大事だと思っていますので、お客さまのニーズをしっかり捉えて開発して使っていただき、課題が解決できる、カスタマーサクセスを強化するサービスを作っていきたいと思っています。
制度変更と規制緩和により、クラウド化が加速
菅政権が誕生し、デジタル庁なども発足することになっておりますし、さまざまな制度変更や規制緩和によって、かなりデジタル化が進んでいくと考えています。現状、さまざまな制度変更が予定されていますが、我々にはその制度変更に関連するサービスがたくさんあり、デジタル化の加速によるよい影響があるのではないかと思っています。
例えば、電子帳簿保存法の改正では、「マネーフォワード クラウド経費」「マネーフォワード クラウド会計」のサービスでデジタル明細の取り込みが可能になるため、より便利になります。
また、インボイス制度の適用では、「マネーフォワード クラウド会計」「マネーフォワード クラウド請求書」「マネーフォワード クラウドBox」といったサービスが関係するのですが、会計ソフトの切り替えや電子請求書が増えると見込んでいます。
そして、電子申告については「マネーフォワード クラウド確定申告」、年末調整の電子化では「マネーフォワード クラウド給与」が関係してきます。社会保険電子申請義務化についても、我々が提供する「マネーフォワード クラウド社会保険」が関係してきます。
我々のサービスを通して日本全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を加速していきたいと思っています。
プロダクト戦略
プロダクト戦略についてお話しします。プロダクトの開発がかなり順調に進んでいます。個人事業主、中小企業に加えて、IPO準備企業や中堅企業など、それぞれのカテゴリの方にニーズのあるサービスが提供できるようになってきています。
『マネーフォワード クラウドERP』を開始
そのようなことも踏まえ、今回「マネーフォワード クラウドERP」として打ち出しました。クラウド型ERPでバックオフィス生産性が飛躍的に向上することを目指しています。
スライドの右側にサービスの一覧を記載しているのですが、財務会計から人事管理、労務手続きまで一気通貫で提供しております。
『マネーフォワード クラウドERP』の特長
「マネーフォワード クラウドERP」の特徴を5つほど挙げています。まず、サブスクリプションモデルで、今までのパッケージソフトウェアとは異なり、かなりコストが削減できます。コースや組み合わせにもよるのですが、コストが半額以下になるケースも多く出ています。
次に、導入時間の短縮と柔軟な導入プロセスです。ハードウェアの購入やセットアップが必要なく、初期コストが無料で簡単にスタートできるため、2ヶ月から3ヶ月で本格導入が可能です。
また、税制や法律改正についても自動アップデートが行われますし、他社のSaaSサービスとのAPI連携といった点でも、非常に便利に使っていただいています。そして、セキュリティや内部統制にもしっかり対応しています。
新たな働き方への対応
新たな働き方への対応についてです。「マネーフォワード クラウド経費」や「マネーフォワード クラウド会計Plus」といったサービスはデータがクラウド上にあるため、例えば「マネーフォワード クラウド会計Plus」を使えば、監査法人は外からアクセスして監査できます。
また「マネーフォワード クラウド経費」では、経費申請が規定に従っているかといった経費チェック代行が簡単にできるため、テレワークに非常にマッチしたサービスになっており、ニーズが拡大しています。
『マネーフォワード クラウド』中堅企業の導入実績
実際に、中堅企業への導入実績が増えています。ドール様、ケロッグ様、世界の山ちゃん様、カゴメ様、ジャフコ様、ビズリーチ様、ウイングアーク1st様、そしてMUFG様の100パーセント連結子会社であるJapan Digital Design様といった会社で使っていただいています。
中堅企業向けプロダクトラインナップ強化
中堅企業向けのプロダクトラインナップとしては新たに4つのサービスを提供し、また今回グループジョインしてくれた「V-ONEクラウド」を入れると5つのサービスがラインナップに加わることになりました。
「マネーフォワード クラウド債権請求」「V-ONEクラウド」はクラウド上でデータが完全につながるため、手入力することなく、バックオフィスの生産性が圧倒的に改善する世界を実現していきます。
R&AC社のグループジョイン
R&ACのグループジョインについてですが、高山社長が率いるこの会社は、90パーセントのシェアを持つ圧倒的なプロダクトを提供しています。
R&AC社とマネーフォワード クラウドの事業シナジー①
現在、中堅企業から大企業まで500社以上に導入されています。ロゴを見ていただくと、カシオ計算機様、JAL様、弁護士ドットコム様など、日本の有名な会社に使っていただいています。
入金消込のサービスですが、「マネーフォワード クラウド会計Plus」等との相性が非常によいため、クロスセルも強化していきたいと思っています。
R&AC社とマネーフォワード クラウドの事業シナジー②
請求書作成、売上管理は「マネーフォワード クラウド請求書」を使っていただき、それが入金されたかどうか、入金自動消込、債権管理、督促管理、仕訳作成は「V-ONEクラウド」で、そして会計管理は「マネーフォワード クラウド会計Plus」といったかたちで、必要な処理を一気通貫で提供させていただき、生産性の大幅な向上を目指していこうと考えています。
Money Forward クラウド債務支払(2020年12月予定)
今年の12月のリリースを予定しているのが、「マネーフォワード クラウド債務支払」です。債権管理はかなり手数がかかるところですが、ペーパーレス化して会計ソフトとも自動連携しながら債務の支払いを行っていくサービスです。
Money Forward クラウド債権請求(2021年春予定)
こちらは「マネーフォワード 債権請求」で、春頃のリリースを予定しています。受注から入金管理まで煩わしい管理をすべて一元管理でき、Salesforceをお使いのユーザーは、そのデータをもとに、このサービスを使って請求、売上計上、消込、債権確認を行っていただくと業務が大幅に楽になります。
Money Forward クラウド固定資産(2021年春予定)
「マネーフォワード クラウド固定資産」についてです。固定資産管理は、別途ソフトやエクセルなどで行っている会社が多いと思いますが、こちらもクラウドならではのメリットのあるサービスだと考えております。会計ソフトとも自動連携し、固定資産管理が簡単になります。
Money Forward クラウド人事管理(2021年予定)
「マネーフォワード クラウド人事管理」についてです。人事管理では、人事データベースが非常に大事になります。我々が提供している「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウド経費」「マネーフォワード クラウド社会保険」や、他にもSaaSサービスが人事データベースとつながります。
「マネーフォワード クラウド人事管理」のデータベースを更新すると、自動的にAPI接続して、各種サービスのマスタも更新されるというかたちになれば、会社の中の手数が大幅に減ります。
以上が、追加のサービスのご説明となります。
TVCMを含む大型マーケティング投資を4Qに実行
冒頭で大型マーケティングのお話をさせていただきましたが、第4四半期にTVCMを含む大型マーケティング投資を実行します。「マネーフォワード クラウドERP」で、「中堅企業のバックオフィス。クラウドなら、うまくいく。」というCMを本日(2020年10月15日)から放映する予定です。
以上が、Money Forward Businessドメインのご説明です。
プレミアム課金収入 売上高推移
Money Forward Homeドメインについてご説明します。Money Forward Homeドメインの大きな収入がプレミアム課金収入ですが、前年同期比でプラス26パーセントと順調に増加しており、課金ユーザーは26.5万人を突破しています。
メディア / 広告収入 売上高推移
もう1つの収入が、メディア・広告収入です。コロナ禍で例年実施してきたオフラインイベントの開催が難しくなり苦戦はしておりますが、売上高は前年同期比ではプラス8パーセントと成長しています。
例年11月にリアル開催していた「お金のEXPO」は、今回はオンラインでの実施を予定しています。
『マネーフォワード ME』利用者、1,100万人突破
「マネーフォワード ME」の新規利用者は3ヶ月で50万人増加しました。引き続き順調に成長しており、1,100万人を突破しております。
11月「マネーフォワード Week」開催決定
先ほどお伝えした「お金のEXPO」に関連して、「お金のプロ」による特別オンラインセミナー「マネーフォワードWeek」を5日連続で開催します。我々は、個人のお金の課題を解決したいというビジョンを掲げていますが、このようなセミナーを通して、多くの方のためになるセミナーを開いていきたいと思っています。
元大阪府知事の橋本様、レオス・キャピタルワークスの藤野様、マネックスグループの松本様、またシバタナオキ様やFPの横山様など、すばらしい方々に登壇いただく予定です。
不正出金にも素早く対応できる機能の訴求
「マネーフォワード ME」を使っていると、高額の出金があった場合にアプリ上でお知らせする機能があります。「いくら以上」といった金額は自分で設定できるのですが、こうした「不正出金にもすばやく対応できる機能が便利だ」というお声をいただいております。昨今のニーズを捉え、使っていただく方が増えています。
以上が、Money Forward Homeのご説明となります。
Money Forward X 売上高推移
Money Forward Xドメインについてご説明します。Money Forward Xは、主に金融機関向けサービスを開発しております。先ほどお伝えしたとおり第2四半期に大型案件が集中した反動で、第3四半期は2億円ほど売上が下がっていますが、ストック売上は順調に増加しており、前年同期比でプラス40パーセントとなりました。
やはり、DXに向けて、金融機関からの問い合わせが非常に増加しており、ニーズの大きさを感じています。
西京銀行の通帳アプリ『かんたん通帳』を提供開始
そのニーズを受けた1つの大きなプロダクトが通帳アプリです。今回、西京銀行のお客さま向けの通帳アプリの提供を開始しています。
『通帳アプリ』アクティブユーザー数は約1.8倍に
通帳アプリは非対面で取引が確認できるため、月間アクティブユーザー(MAU)は、「Beforeコロナ」と「Withコロナ」を比較すると1.8倍に増えており、非常にニーズが高まっていると感じています。
NTTデータと共同開発『ほくぎんビジネスポータル』提供開始
先ほどは個人向けサービスでしたが、こちらは法人向けサービスです。NTTデータ様と共同開発して、北陸銀行のお客さま向けに「ほくぎんビジネスポータル」の提供を開始しています。
金融機関との連携(個人向けサービス、導入件数43件)
このような取り組みを通して、金融機関との連携は、個人向けサービスの導入件数が43件まで広がっています。
金融機関との連携 (法人向けサービス)
金融機関との連携で、法人向けサービスもラインナップを拡充しています。会員制ポータルサイトは横浜銀行様や北陸銀行様に採用いただき、また「Business Financial Management」は岡崎信用金庫様に採用いただいています。
以上が、Money Forward Xのご説明となります。
Money Forward Finance 売上高推移
Money Forward Financeドメインについてご説明します。こちらも、第2四半期と比べると売上は若干減少していますおりますが、これは第2四半期のOEM開発案件の反動の影響です。とはいえ、前年同期比でプラス108パーセントと順調に成長を継続しています。
MF KESSAI、福岡銀行と共同事業化に向け実証実験開始
中小企業の成長支援に向けて、福岡銀行様と「MF KESSAIアーリーペイメント」を提供することとなりました。現在は実証実験の段階となります。
MF KESSAI、三菱UFJファクター(株)と業務提携契約を締結
また、三菱UFJファクター様とも提携させていただいております。「MF KESSAI」のOEM提供を通じて、中小企業にお金が回るよう進めています。
ここまでが、Money Forward Financeの「MF KESSAI」の取り組みです。
起業家主導のベンチャーキャピタルHIRAC FUNDを組成
もう1つの新しい取り組みとして、HIRAC FUNDというベンチャーキャピタルをスタートしました。「HIRAC」は「新たな可能性の扉を『ひらく』」という意味です。
我々もまだまだベンチャー企業ですが、特にスタートの時はいろいろな経営者の方にアドバイスをいただき、助けていただきました。経営、採用、営業、広報など、我々の経験を少しでも次のベンチャー企業に生かしていこうということで、お金だけではないハンズオン支援をしていくために、このようなファンドを立ち上げました。
HIRAC FUNDに国内有数の起業家がLPとして参画
上場がゴールではなく、上場したあとも1,000億円、1兆円、さらに上を目指していくようなベンチャー企業が数多く誕生していくことが日本にとってはすごく大事だと思っています。そのような志に共鳴いただき、経験ある起業家の方に、LPとしてコミュニティに参画いただきました。
実際に企業を経営されている方がほとんどですが、自身のビジネスを伸ばすとともにスタートアップ業界全体も底上げしていこうということで、LPとして入っていただきました。
ティーケーピーの河野様、メルカリの小泉様、SHIFTの丹下様など、本当にすばらしい方々ばかりです。よいコミュニティを作りながら、ノウハウの共有などをしっかりと行い、一緒にすばらしいスタートアップを生んでいきたいと思っています。
また、ジャフコ様にもLPとして参画いただいています。ジャフコ様は、一番最初に我々に投資してくれた本当に恩のある会社ですが、このようなかたちでご一緒できるのは本当にうれしいと思っています。
HIRAC FUNDにおいて出資を実行
HIRAC FUNDにおいてさっそく出資を実行しており、ご覧のスライドの3社に投資を実行しています。もちろん、お金の面だけでなく、さまざまな面で成長をサポートしていきたいと思っています。
WRAYは女性向けのヘルスケアに特化したD2Cブランドで、TENTIALはインソールやマスクをリリースしており、両方ともすばらしいプロダクトを提供していますので、ぜひホームページをご覧いただければと思います。また、このコロナ禍ではオンボーディングが非常に難しいですが、ワークサイドは、そのオンボーディングを支援するSaaSプロダクトを開発しています。
ここまでが、HIRAC FUNDの取り組みです。
マネーフォワードシンカ、大型資金調達の実行を支援
CFOの金坂が代表を務めているマネーフォワードシンカでも、いろいろなスタートアップ企業を支援していこうということで、さまざまな企業にコンサルティングを行っています。
今回、大型調達の実行を支援させていただきました。遠藤社長率いるビービットにおける、創業来初の25億円の資金調達を支援させていただきました。
以上がMoney Forward Financeのご説明となります。
個人投資家の増加を目的とした施策強化
最後に、戦略的な取り組みをご説明します。冒頭でもお話ししたとおり、当社の株主の10パーセントくらいが個人投資家の方ですが、もっと増やしていきたいということで、株式分割、個人投資家向け説明会、IRメールの配信などを行おうと思っています。
株式分割の実施
「1:2」の株式分割を予定しており、直近3ヶ月の平均投資単位は76万4,000円ですので、2分割させていただき、50万円未満の水準にしたいと思っています。なお、効力発生日は今年12月1日です。
社会課題の解決に向け、様々な取り組みを実施
マネーフォワードでは、いろいろな社会課題の解決に取り組んでいこうということで、新型コロナウイルスの支援情報のまとめの開設や、ペーパーレス・はんこレスへの提言、電子インボイス推進協議会への設立発起人としての参画などを行っています。
ユーザーに一番近い立場のため、そうした活動を通して、ユーザーのためになる法改正等をしっかり実現できるよう、お役に立ちたいと思っています。
金融機関とのAPI契約状況について
銀行、金融機関とのAPI契約についてですが、連携する125行の銀行すべてと契約を締結できました。関係者のみなさま、ありがとうございました。
その結果、国内最大のアカウントアグリゲーション・プラットフォームを構築できております。
成長投資並びに黒字化の方針
成長投資並びに黒字化の方針です。こちらはしばらく変えていないため、同じスライドで恐縮ですが、我々はサブスクリプションモデルのため、短期的なものではなく、中長期的なキャッシュフローの最大化を重視していこうと考えています。
Money Forward Businessドメインの成長投資は引き続き実施しますが、経営指標の健全性をしっかり維持しながら行っていきます。またM&Aに関しても、戦略的に、財務的なディシプリンに沿った案件に取り組もうと思っています。
そして来期、2021年11月期にEBITDA黒字化を達成するとともに、早期の東証一部・プライム上場を目指して、さらなる企業価値向上を図っていきたいと思っています。
巨大な潜在市場で事業展開。さらなる成長を目指す
冒頭でもお伝えしましたが、「Money Forward Business」「Money Forward Home」「Money Forward X」「Money Forward Finance」は、それぞれ非常に大きな潜在市場の中でビジネスを展開しています。可能性は大きいため、サービスを通してしっかりと価値を提供して、会社として成長し、株主さまにも報いていきたいと思っています。
早足で恐縮ですが、以上が第3四半期のご説明となります。ご清聴、ありがとうございました。