株式市場の振り返り-今年最低の閑散相場の中で小幅続落、新興市場は4日続伸
2016年8月15日(月)の東京株式市場は続落となりました。日経平均株価は前日比▲0.3%の下落、TOPIXも▲0.5%の下落で引けています。いずれも続落です。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+0.7%上昇して4日続伸となりました。
日経平均株価は、前日比▲53円安で寄り付いた後、すぐに▲75円安まで下落しました。しかし、前場の中盤には一時+12円高まで切り返すものの、その後は薄商いの中で膠着状態となりました。結局、大引けは▲50円安の16,869円安で終わりました。取引時間中の値幅が僅か88円に止まる小幅な値動きでした。
東証1部で上昇したのは568銘柄、値下がり1,260銘柄、変わらず144銘柄でした。東証1部の出来高は12億4,377万株、売買代金は1兆5,701億円(概算)となっています。お盆休みで閑散相場となり、出来高は今年の最低を記録しました。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中27業種が下落、一部の内需関連は買い戻し
東証1部で上昇したのは6業種、下落したのは27業種でした。上昇した業種に大きな特徴は見られませんでしたが、前日同様に内需関連が多く見られました。他方、下落した業種にも、内需関連が散見されており、金融関連セクターも弱含みな動きとなったようです。なお、電機や輸送機器など主力セクターの騰落は、概ね小幅下落に止まったと言えましょう。
個別銘柄では、アステラス製薬(4503)やエーザイ(4523)などの薬品株が軒並み下落し、ファミリーマート(8028)も大きく値を下げました。また、シマノ(7309)、ライオン(4912)、ファーストリティリング(9983)などの主力株も下落して終わりました。一方、ソフトバンクグループ(9984)が+7%超の急騰となり、電通(4324)も大幅上昇となりました。その他では、ファナック(6954)、日本電産(6594)、資生堂(4911)などが値を上げています。
東証マザーズ市場の動き-総合指数は4連騰も、材料不足から閑散相場が続く展開は不変
東証マザーズ総合指数は、前場は前日終値を挟んだ動きとなりましたが、後場に入ってから買いが優勢となり、堅調に推移しました。最後は上値が重くなったものの、終わってみれば、約1か月半ぶりの4連騰となっています。ただ、商いは依然として低調であり、“閑散に売りなし”という状況でした。出来高は3,509万株、売買代金は616億円となり、いずれも前日を下回る結果となりました。なお、値上がりが118銘柄、値下がりは89銘柄、変わらず14銘柄でした。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)やアキュセラ(4589)は下落しましたが、同じ医療バイオ関連銘柄では、サンバイオ(4592)、ヘリオス(4593)、ナノキャリア(4571)などが堅調に値を上げました。また、時価総額の大きい銘柄では、CYBERDYNE(7779)、ミクシィ(2121)ともに小幅高となり、小動きで終始しました。その他では、MRT(6034)が値を飛ばし、LITALICO(6187)も大幅高となっています。一方、前日に急落したグローバルウェイ(3936)は、大幅続落となっており、下げ止まりの気配がなかなか見られません。
本日(8月16日)の注目点-お盆休みが終わり、徐々に粗い値動きが展開される局面へ
8月15日は、株式投資ができる幸せを感謝する終戦の日でした。一方、15日はお盆休みのピークということもあり、出来高が今年最低を記録するなど、閑散相場となり非常に静かな日となりました。
さて、そのお盆休み相場も終わりです。16日(火)からは徐々に市場参加者が増え始め、新たな動きが出て来ると予想されます。これから出て来る動きで最も注意しなければならないのは、26日に予定されている通称“ジャクソンホール会議”におけるFRB議長講演の内容です。それを睨んで、海外投資家の短期筋が揺さ振りをかけてくる可能性があります。取引時間中の激しい値動きに惑わされないようにしましょう。引き続き、出遅れ感の強い好業績銘柄に焦点を当てて臨むことが求められます。
新興市場はお盆休みにも拘らず4日続伸と好調ですが、出来高や売買代金が伴っておらず、本格的な買い戻し相場、上昇相場とは言い難い状況です。買い場はまだ先になる可能性がありますので、下値を拾う場合も最小限でコツコツ対応して欲しいところです。
青山 諭志