株式市場の振り返り-雇用統計待ちで様子見スタンスが強く、僅かな下落に終わる
2016年8月5日(金)の東京株式市場は僅かな下落となりました。日経平均株価は前日比ほぼ横這い、TOPIXも▲0.2%の下落で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は▲0.6%下落となり、3日続落となりました。
日経平均株価は、前日比+24円高で寄り付いた後、すぐに一時+101円高まで上昇しました。しかし、その後は様子見スタンスが強まる中、上げ幅を縮小していきます。後場はマイナスに転じる場面が何度かあり、終盤には▲24円安を付けました。結局、大引けは▲0.4円安という僅かな下落に終わっています。
東証1部で上昇したのは616銘柄、値下がり1,213銘柄、変わらず141銘柄でした。東証1部の出来高は18億8,957万株、売買代金は2兆1,988億円(概算)となっています。雇用統計の発表を控えて様子見が強かった割には、底堅い商いになったと言えます。
セクター動向と主要銘柄の動き-輸出関連業種が堅調、ユニクロ株が連日で値を上げる展開
東証1部で上昇したのは12業種、下落したのは21業種でした。特段大きな特徴は見られませんでしたが、上昇率の上位には、精密機器や輸送用機器などの輸出関連が登場しています。一方、下落した業種では、前日同様に、内需関連やディフェンシブ業種が多く見られました。
個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)が連日で大幅高となり、テルモ(4543)、NTTデータ(9613)も大きく値を上げました。また、前日に決算発表を行ったトヨタ自動車(7203)も大幅上昇となり、野村ホールディングス(8604)などの証券株も堅調に推移しました。一方、それ以外の主力株は低調な動きが目立っており、ファナック(6954)、富士重工(7270)、ファミリーマート(8028)などが大きく値を下げています。また、任天堂(7974)も▲2%超の下落となりました。
東証マザーズ市場の動き-深刻な薄商いの中、総合指数は3日続落と低迷
東証マザーズ総合指数は、寄り付きから朝方は小高く推移しましたが、前場の終盤からマイナス圏に沈み、結局はそのまま浮上することなく終わりました。出来高は前日より若干増加したものの3,562万株に止まる薄商いとなり、売買代金は大幅減少となる594億円でした。今年3番目の低水準です。なお、値上がりが71銘柄、値下がりは142銘柄、変わらず8銘柄でした。引き続き、閑散相場を打破する物色テーマの登場が待たれます。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)が+3%近い上昇となり、アンジェスMG(4563)が小幅高となりましたが、それ以外の医療バイオ関連銘柄は総崩れに近い状態でした。なお、時価総額の大きいCYBERDYNE(7779)は値を下げましたが、ミクシィ(2121)は逆に小幅高で終了しています。全体的にストップ高安どころか、大幅な騰落を示した銘柄が極端に少なく、深刻な閑散相場を如実に表す結果となりました。毎回同じことですが、新興市場らしいダイナミックな値動きの再来を待ち望みます。
本日(8月8日)の注目点-米雇用統計を好感した株高が持続するか夏枯れか
先週末の米雇用統計は持続する雇用状況の改善を確認する内容でした。年内利上げ観測が高まり金利は上昇しましたが、株価もしっかりの推移となりました。シカゴの日経平均先物が16,530円で引けましたので、まずは上昇してスタートしそうです。
このところ業績悪化の要因であったドル円相場もわずかではありますが円安に推移しています。こうした支援材料を追い風にどこまで反発できるのかが注目になります。とはいえ、今週は本格的なお盆休みに入り、業績発表もピークを超えました。先週目立ち始めた好業績株への物色の集中がどこまで継続できるのか、見守りたいと思います。
LIMO編集部