米中対立が深まるなか、中国政府は27日、四川省成都にある米国領事館を閉鎖したと発表した。27日現在、中国政府の担当者らが総領事館内に立ち入り、撤収状況を確認しているとみられる。

それに先立つ今月21日、米国のポンペオ国務長官はスパイ行為や知的財産侵害の拠点になっているとして、南部テキサス州ヒューストンの中国領事館の閉鎖を要求し、ホワイトハウスは24日までに同領事館の閉鎖を発表した。

局地的軍事衝突やブロック経済化の恐れ

今後、どこまで米中対立は深まるのだろうか。それが武力を含む全面的な戦争に発展する現実的可能性は低いにしても、南シナ海や東シナ海などではこれまで以上に緊張が高まっている。

尖閣諸島周辺では100日以上連続で中国海警局の船が確認され、最近は中国が日本に自らの領海に立ち入らないよう要求したことが明らかになった。ここまで踏み込んだ要求をすることはこれまで確認されていない。

いずれは偶発的な衝突がきっかけとなり、極地的かつ一時的にも軍事衝突に発展する恐れはある。軍事衝突といっても、“大規模かつ長期的な”ものと“限定的かつ短期的な”ものでは発生可能性が大きく異なる。

しかし、米中対立の長期化は、大規模な軍事衝突以上にさらなる貿易戦争、そして相互のブロック経済化をもたらす可能性がある。