日経平均株価は日本の株式市場を代表する株価指数
皆さんは、自分が保有している株式以外で、“今日の株式相場は上がったか、それとも、下がったのか”を知る時、どの指標を参考にするでしょうか?
日本の株式相場の状況を表す指標は数多くありますが、やはり、基本となるのは日経平均株価でしょう。日経平均株価は、東証1部に上場する代表的な225銘柄で構成されており(別称「日経225(Nikkei 225)」)、国内のみならず、海外でも有名な株価指数です。
また、一般国民への浸透度という点でも、日経平均株価に勝るものは見当たらず、日本の株式市場を代表する株価指数と言えます。
米国株式市場を代表するNYダウは史上最高値を更新し続ける
同じように、米国の株式相場の状況を表す代表的な指数が「ダウ平均株価(Dow Jones Industrial Average)」というもので、「ニューヨーク・ダウ30」と呼ばれています。なお、日本では単に「NYダウ」という呼称が使われています。
このNYダウはその名の通り、米国を代表する30銘柄で構成されています。わずか30銘柄で構成されているNYダウですが、米国の株式市場の動向を見る上で欠かせない株価指数です。
さて、そのNYダウは7月20日に7営業日連続で史上最高値を更新しました。先週は日経平均株価も上昇した日が目立ちましたが、残念ながら、史上最高値を更新し続けるNYダウとは比べものになりません。また、他の国の株価指数を見ても、史上最高値を更新しているのはNYダウだけです(注:一部の新興国を除く)。
なぜ、NYダウだけが史上最高値を更新し続けるのでしょうか?
大胆な入れ替えで“旬な”銘柄が組み入れられる
もちろん、米国の景気回復・拡大という理由はあるでしょう。しかし、見逃せない大きな理由の1つに、頻繁に構成銘柄の入れ替えを行っていることが挙げられます。しかも、その時々に合わせて、勢いのある銘柄や、いわゆる“旬”である銘柄を組み入れているのが特徴です。
最近では、2015年3月にAT&Tを除外してアップルを加え、2013年9月にはアルコア、バンク・オブ・アメリカ、ヒューレット・パッカードを除外して、ゴールドマン・サックス、VISA、ナイキを組み入れました。わずか30銘柄の構成ポートフォリオを、かなり大胆に入れ替えていることが分かります。
こうした構成銘柄の入れ替えに対しては、連続性という観点から、異論や批判が少なからずあることは事実ですが、常に米国を“代表”する株価指数を堅持するという、強い姿勢も感じられます。こうしたダイナミズムは、米国株式市場の強みと言えましょう。
一方、日経平均株価はどうでしょうか。
日経平均株価の銘柄入れ替えは保守的なスタンスが強い
日経平均株価も毎年9月~10月に定期的な見直しを実施しています。しかし、見直した結果、入れ替えなしという年が少なくありませんし、入れ替えたとしても225銘柄のうち、たかだか1~2銘柄です。
その入れ替え銘柄も、合併や経営統合に伴う消滅や、経営破綻による上場廃止等に伴うものが多く、積極的に“旬な”銘柄を採用する動きは全く見られません。
勢いがあり”旬な”銘柄を組み入れることで真の日本代表と呼べる
もとろん、日経平均株価は東証1部上場銘柄を対象にするなどの選考基準があるため、従来の大証単独上場銘柄が組み入れられなかった等の事情は理解できます。
しかし、それを考慮しても、任天堂(7974)、日本電産(6594)、村田製作所(6981)、楽天(4755)、オムロン(6645)などの“日本代表”が組み入れられていないことに違和感を覚える人も少なくないと思われます。今回のポケモノミクス相場において、任天堂が日経平均株価の構成銘柄ではないことを改めて実感させられました。
先日、東証2部上場へ鞍替えとなるシャープ(6753)が除外され、ヤマハ発動機(7272)が採用されることが発表されました。ヤマハ発動機は日本を代表する素晴らしい企業の1つですが、“旬な”企業とは言い難く、“なぜ今頃?”という思いは残ります。
日経平均株価は値嵩株の影響が大きいなど、いくつかの問題点が指摘されています。しかし、最大の問題点は、連続性や業種バランスを重視するあまり、大胆な銘柄入れ替えができないことではないでしょうか。日経平均株価が、NYダウのような存在になる日を待ち望みます。
LIMO編集部