半導体産業の調査会社VLSIリサーチ(米カリフォルニア州、日本窓口=㈱テクノロジー・パートナーズ、東京都品川区)は、2019年の半導体装置メーカー売り上げランキング(速報値)を発表した。19年の上位15社の売上高は4%減の640億ドルとなり、18年の2桁成長から一転してマイナスとなった。メモリー市場の低迷で、メモリーメーカーの設備投資が減少したことが影響した。

AMATが19年も首位を堅持

 この速報値は、世界の半導体装置メーカー約350社を対象にした調査結果。売り上げの定義は、19年1~12月までの半導体製造装置の売上高を集計したもので、サービス・サポートの売り上げを含むが、OEMの装置売り上げや販売代理業務に該当する装置は含まない。為替レートは、18年が110.4円、19年が109.0円。

 米アプライド マテリアルズ(AMAT)は19年も1位を堅持した。同社は11年に半導体露光装置で世界最大手のASML(オランダ)に首位を奪われたことを除き、首位の座を長年堅持している。15社のうち9社が前年比でマイナスとなったが、上位8社のランキングは18年と変わらず。半導体後工程装置を手がける14位のASMパシフィックテクノロジー(香港)が15社中もっとも大きな下げ幅を記録した。

ニコンがランクインし、日本企業8社に

 日本企業は15社中8社と半数以上を占め、東京エレクトロンが18年に続き3位を堅持した。半導体テスト装置で世界最大手のアドバンテスト、半導体洗浄装置で高いシェアを誇るSCREENは順位を維持し、測長SEMなどの計測装置に強い日立ハイテクノロジーズは9位にランクを上げた。また、露光装置を手がけるニコンが18年の圏外から19年は11位に浮上し、15社でもっとも大きく伸びた。このほか熱処理装置などに強いKOKUSAI Electricが12位、搬送システムを手がけるダイフクが13位、露光装置メーカーのキヤノンが15位に入った。

韓国SEMESは圏外に

 一方、18年に韓国企業として初めて12位にランクインした韓国SEMES(セメス)は、韓国半導体メーカーの投資抑制の影響を受けて19年はランク外となった。SEMESは韓国サムスンの子会社であるためキャプティブメーカーの位置づけだったが、近年は外販を開始して売り上げを拡大。洗浄、コーター・デベロッパー、エッチング、CVD(Chemical Vapor Deposition)、後工程などへ取り扱い装置群を拡大し、半導体・FPD(Flat Panel Display)の総合装置メーカーを目指している。

電子デバイス産業新聞 編集長 津村 明宏