新興株市場の振り返りー東証マザーズ指数は他指数と同様に狼狽売りとはならず小幅安に留まる

2016年6月6日(月)の新興株市場は、JASDAQ指数が対前日比▲0.2%下落、東証マザーズ指数が同▲0.6%下落となりました。TOPIX(同▲0.3%の下落)と同様に、米雇用統計の想定外の悪化を受けて売り先行でのスタートとなりましたが、狼狽売りとはならず、売り一巡後は落ち着きを取り戻し小幅安で引けています。

マザーズ市場の出来高は9,946万株、売買代金は1,811億円で前日から僅かに増加しました。値上がり銘柄数90、値下がり銘柄数129、変わらずは6銘柄でした。

マザーズ御三家はそーせいグループだけが下落

マザーズ時価総額トップ3のうち、ミクシィ(2121)、CYBERDYNE(7779)は小幅高となりましたが、そーせいグループ(4565)は前日比▲3%安となりました。

マザーズでの上昇率トップは、HIV治療薬を手掛けるオンコリスバイオファーマ(4588)で前日比+22%上昇、2位は東大ベンチャーとビットコイン・アプリケーションの共同開発で業務提携を発表したセレス(3696)で同+21%上昇(ストップ高)、3位は家賃の保証事業を全国展開するあんしん保障(7183)で同+15%(ストップ高)でした。また、JIG-SAW(3914)は、3日連続のストップ安で寄り付いたのちに切り返し同+3%上昇で引けました。

一方、下落率トップは、アンジェスMG(4563)で同▲6%下落、2位はメディビックグループ(2369)で同▲6%下落、3位は、ソケッツ(3634)で同▲6%下落でした。

6月7日の着眼点

6月6日の米国株式市場(日本時間7日深夜)には、イエレンFRB議長の講演が予定されており、想定外に悪化した5月の米雇用統計に対して、どのような見解が示されるかが注目されます。

6月に利上げが実施される可能性はかなり低下しましたが、7月に行われるのか、あるいはさらに遠のく可能性が高まるのかが焦点です。仮に、利上げはさらに遠のくということになれば、円高に向かう可能性がある一方で、欧米株や新興国株にとっては買い材料として受け止められる可能性があります。一方、7月実施の可能性が残っているとされた場合は、円安には向かうものの、海外株式は下落する可能性もあります。

さて、日本への影響はどうでしょうか。輸出関連のウエイトが高い大型株にとっては、どちらかというと後者のほうが望ましいシナリオになるでしょう。ただし、内需中心の小型株が多い新興株市場にとっては、円高は中立要因であることや大型株からの資金の退避先になる可能性もあるため、むしろ利上げが遠のく前者のほうが望ましいシナリオになる可能性があることも頭の片隅に入れておきましょう。

LIMO編集部