株式市場の振り返り-弱い動き。東証マザーズ総合指数の終値は1,100ポイント割れ。

2016年5月25日(水)の新興株式市場は弱い動きに終始しました。日経ジャスダック平均は前日比+0.0%と僅かながら反発したものの、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は▲0.5%下落の続落となっています。売り買いが交錯しましたが、買いの勢いが続きませんでした。

東証マザーズ総合指数は、5月12~13日にかけて、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)を抜く目前まで戻りましたが、その後は調整を強いられています。25日の相場では、幾つかの材料が物色されて前日終値を上回る水準で推移しました。しかしながら、終盤は売りが優勢となり、大引けに掛けて下げが加速しました。結局、終値の攻防ラインと考えられる1,100ポイントを、僅かに割り込んで終わっています。1,100ポイントを維持できなかったのは、明日以降へ不安を残すことになりました。

しかし、25日は連日の薄商いをやや脱した感があります。25日の出来高は9,345万株となり、5日連続の1億株割れとなったものの、ここ数日では最高の出来高です。5月に入ってから、1億株を超えたのは未だ2日間しかありませんが、少し明るい材料と言えましょう。ただ、低位株の売買が多かったこと等から、売買代金は1,751億円に止まり、前日から極僅かの増加に過ぎませんでした。なお、騰落状況は、値上がり銘柄数99、値下がり銘柄数113、変わらず13銘柄となっています。

高安まちまちの展開の中、フィンテック関連銘柄への買いが優勢

24日の東証マザーズ市場は高安まちまちでした。医療バイオ関連では、時価総額最大のそーせいグループ(4565)が▲1%の小幅安に止まった一方で、アキュセラ(4589)が▲14%のストップ安となりました。また、グリーンペプタイド(4594)は+8%と切り返しましたが、サンバイオ(4592)が▲3%、ナノキャリア(4571)が▲1%となっており、医療バイオの中でも方向感に乏しい状況だったと言えます。

一方、情報通信関連は引き続き値下がりが目立っており、アカツキ(3932)が▲7%、エディア(3935)が▲1%、アクセルマーク(3624)が▲0%、グローバルウェイ(3936)が▲3%と値を下げています。ただ、モルフォ(3653)が+3%になるなど、一部には反発も見られました。また、先週はストップ安が続いたブランジスタ(6176)は▲10%と再び大幅下落となっています。

25日はフィンテック(FinTech)関連銘柄が買われました。ロックオン(3690)は+2%の小幅高でしたが、セレス(3696)は+21%の大幅高となり、一時はストップ高を付けました。他にも、リアルワールド(3691)が+5%など、上昇が目立ちました。

その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が▲0%、Gunosy(6047)は▲6%、はてな(3930)は▲1%、エナリス(6079)が+1%、ミクシィ(2121)が▲1%となっています。

伊勢志摩サミット後に動き出す可能性、上値を追い駆けず、先週から安くなった下値を拾う

25日の新興市場では、国会で改正銀行法が成立したことを契機に、久しぶりにフィンテック関連銘柄が物色対象となりました。多くの関連銘柄が大幅上昇となり、中にはストップ高となるものもありました。しかしながら、取引時間中に売りに押されるあり様で、あまり長続きしなかったようです。こうしたことも、現在の新興市場のエネルギー不足を物語っていると言えるでしょう。本格的な“物色第二波”が押し寄せるには、もう少し時間を要するのかもしれません。

いよいよ、明日26日(木)から伊勢志摩サミットの本会議が始まります。しかし、伊勢志摩サミットでは大きな材料は出難く、新興市場に関しては、サミット終了後の方が重要です。26日の相場は、上値を追いかるようなことはせずに、下値をコツコツと拾いましょう。その中でも、先週からの下落が大きかった医療バイオ関連で、安くなった銘柄に引き続き注目です。さらに、今週に入って安くなっている情報・通信関連の下落銘柄にも着目したいところです。また、成長戦略のネタになりそうな自動運転、次世代エネルギー、ドローン、AI、民泊などにも引き続き注目しましょう。

LIMO編集部