株式市場の振り返り-大幅安の翌日としては、僅かな反発に止まる。力強さに欠ける展開。

2016年5月17日(火)の新興株式市場は小幅反発となりました。日経ジャスダック平均は前日比+0.2%の上昇となり、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は+1.3%の上昇となる反発でした。新興市場の活気が見られない1日でした。

東証マザーズ総合指数は、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)に近づきつつありましたが、それを抜けずにいるうちに、短期的な調整局面に入った可能性もあります。17日の相場でも、前場に高く推移したものの、後場は上値が重くなりました。結局、終値では1,140ポイントとなり、急落した前日からの小幅反発に止まりました。また、ここ数日、終値では1,200ポイントを挟む一進一退の攻防が続いてきましたが、連日で1,200ポイント割れとなっています。

また、17日は大型株同様に、東証マザーズの商いも低調に終わりました。出来高は7,440万株に止まり、先週末に次ぐ薄商いでした。これで6日連続して1億株を下回っています。ただし、前日に続き、時価総額の大きい値嵩銘柄の売買が多かったこと等から、売買代金は2,281億円と高水準を維持しました。久々に連日の2,000億円超となっています。なお、騰落数は値上が122銘柄、値下がり99銘柄、変わらず4銘柄となっています。

医療バイオ関連銘柄の戻りは小幅に止まる。全体的には方向感乏しい。

16日の東証マザーズ市場の個別銘柄では、前日に売られた医療バイオ関連に、やや戻りが見られました。目立ったところでは、そーせいグループ(4565)が+3%、アキュセラ(4589)が+3%、ナノキャリア(4571)が+2%等でしたが、前日の大幅下落を考えると鈍い戻りと言えます。また、前日にストップ安となったグリーンペプタイド(4594)は▲4%と続落するなど、医療バイオ関連が総じて買われたという印象は乏しいです。

その他では、ブランジスタ(6176)が▲15%となり、連日のストップ安となりました。また、ALBERT(3906)も▲24%のストップ安でした。UBIC(2158)も▲14%の大幅安ですが、その他には目立って急落したような銘柄は少なかったように思われます。

その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が+0%、Gunosy(6047)は+5%、はてな(3930)は▲1%、エナリス(6079)が+1%、ミクシィ(2121)が+0%となっています。高安まちまちでしたが、大きな値動きはありませんでした。

成長戦略を睨み、売られ過ぎた医療バイオ関連銘柄には注目継続

16日に大幅安となった新興市場は、17日はやや戻したものの、小幅反発に終わっています。出来高等を勘案すると、決算発表が終わって、利益確定売りが中心となる調整局面に入った可能性もあります。予想していた“物色第二波”は、もう少し先になるかもしれません。

やや期待外れの感はありますが、2016年度補正予算の成立を終えて、今後は新たな成長戦略が大きな材料になる可能性もあります。伊勢志摩サミットと絡めて、これから様々な情報が出て来ると思われますので、今回の停滞局面を、新たなエントリーと考え直すのもいいでしょう。注目が大きい医療バイオ関連では、17日を含む直近数日で下落して安くなった銘柄に注目です。話題性は未だ失われていませんので、完全に見切るには時期尚早と言えます。また、成長戦略のネタになりそうな自動運転、次世代エネルギー、FinTech、ドローン、AIなどにも引き続き注目したいと思います。

LIMO編集部