漫画家の祭さんは、小明神さんというチンチラさんと一緒に生活しています。以前は、大明神さんというチンチラさんも一緒に暮らしていましたが、2016年の梅雨のころに亡くなってしまいました。

ひとりになった小明神さんに、新たな相棒を見つけてあげようと考えた祭さんは、里親募集サイトやブリーダー、ペットショップといろいろなところをあたってみますが、どの子も「一緒に暮らしたい!」と思えるほどではありませんでした。そんな時に出張先の東京の、しかも偶然訪れたペットショップで不意に目に入った小さな可愛いスタンダードグレーのチンチラさんに運命を感じて涙が止まらなくなってしまいます…。

「ランチでもしながら、いったん落ち着こう。」という彼氏の提案で、パスタ屋に入った祭さん。「あの子、連れて帰る?」という彼氏の問いに、「いや、そんな衝動で飼ったらいかん…。」と躊躇をしてしまいます。というのも、環境の合う・合わないもありますし、ペットというものは飼い主側が十分な準備をしてからでないと、迎え入れることができないと知っていたから。それに、一度飼ってしまったら、その子の一生を背負うことになります。

「あれだけ涙が出るなら、衝動でもいいんじゃない?時間もないし、もう一回見に行って決めようか?」