年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2026年11月6日、2026年度第2四半期(7~9月)の運用状況を公表しました。収益率は▲1.65%、収益額は▲5兆2533億円で、四半期ベースでマイナスとなりました。
2025年度は年間で+16.47%、2026年度第1四半期も+8.20%と好調が続いていただけに、「年金の積立金は大丈夫なの?」と気になった方もいるのではないでしょうか。
この記事では、GPIFの速報をもとに、第2四半期の運用実績と資産別の収益率、マイナスになった背景、長期で見た運用の成果を確認します。
1. 2026年度第2四半期は▲5兆2533億円
GPIFは、厚生年金と国民年金の積立金を管理・運用している法人です。まずは、2026年度第2四半期の運用実績を確認しましょう。
1.1 収益率は▲1.65%、運用資産額は314兆3876億円
GPIFの「2026年度第2四半期運用状況(速報)」によると、運用実績は次のとおりです。
- 収益率:▲1.65%(期間収益率)
- 収益額:▲5兆2533億円(うち利子・配当収入は1兆2967億円)
- 運用資産額:314兆3876億円(2026年度第2四半期末現在)
1.2 4~9月の累計では+18兆8363億円
第1四半期(4~6月)は収益率+8.20%、収益額+24兆895億円でした。第2四半期はマイナスでしたが、2026年度の4~9月の累計では収益率+6.42%、収益額+18兆8363億円とプラスを保っています。
2. 資産別に見ると、プラスは国内株式だけ
GPIFは、国内債券・外国債券・国内株式・外国株式の4つの資産に分散して運用しています。第2四半期の資産別の結果を見ると、プラスだったのは国内株式だけでした。
2.1 外国債券は▲6.52%、▲5兆2301億円
- 国内債券:収益率▲1.80%、収益額▲1兆4452億円
- 外国債券:収益率▲6.52%、収益額▲5兆2301億円
- 国内株式:収益率+3.71%、収益額+2兆8822億円
- 外国株式:収益率▲1.86%、収益額▲1兆4602億円
なかでも外国債券の下落が大きく、収益額は資産全体のマイナスとほぼ同じ規模でした。国内株式のプラスだけでは、ほかの3資産のマイナスを補えなかったことになります。
2.2 資産構成は4資産がほぼ4分の1ずつ
2026年9月末時点の資産構成割合(年金積立金全体)は、国内債券26.49%、外国債券24.05%、国内株式24.80%、外国株式24.67%です。GPIFの基本ポートフォリオは、4資産をそれぞれ25%とすることを目安にしています。
3. なぜマイナスに?金利上昇と円高が影響
GPIFの速報には、参考資料として期間中の市場環境も示されています。
3.1 国内外で金利が上昇し、債券価格が下落
一般に、金利が上がると、すでに発行されている債券の価格は下がります。参考資料によると、期間中の金利の動きは次のとおりです。
- 国内10年国債利回り:2.68%(6月末)→3.07%(9月末)
- 米国10年国債利回り:4.47%(6月末)→5.28%(9月末)
- ドイツ10年国債利回り:2.86%(6月末)→3.59%(9月末)
国内外で金利が上昇したことが、国内債券と外国債券のマイナスにつながったとみられます。
3.2 円高も外国資産の円換算額を押し下げ
為替は、ドル円が162.53円(6月末)から157.14円(9月末)、ユーロ円が185.82円から178.48円と円高が進みました。外国債券や外国株式は、円高になると円に換算した価値が下がります。
株式では、TOPIXが3994.76ポイントから4108.65ポイントに上がった一方、NYダウは5万2319.20ドルから5万906.05ドルに下がりました。