同じ世帯年収でも、1人で稼ぐ「片働き」か、夫婦で分けて稼ぐ「共働き」かによって、手取りは変わります。世帯年収1000万円の場合、片働きと共働きの手取りの差は年に約50万円になるという試算もあります。

「わが家は世帯年収600万円くらい。それでも差は出るの?」「800万円だとどのくらい違う?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、国税庁の資料や2026年度の社会保険料率をもとに、世帯年収600万円と800万円で、片働きと共働きの税金・社会保険料・手取りを試算します。世帯年収が上がるほど差が広がる理由もあわせて確認しましょう。

1. 同じ世帯年収でも手取りが変わるのはなぜ?

所得税や住民税は、世帯の合計ではなく、1人ひとりの所得に対してかかります。所得税の税率は5%から45%までの7段階で、課税される所得金額が多くなるほど高くなります(超過累進税率)。たとえば、課税される所得金額が195万円未満なら5%ですが、195万円以上330万円未満は10%、330万円以上695万円未満は20%です。

1人に所得が集中すると、高い税率がかかる部分が増えます。また、給与所得控除や基礎控除は1人ひとりに適用されるため、共働きなら2人分を使えます。

1.1 試算の前提

  • 2人とも40歳未満の会社員で、協会けんぽ(東京都)に加入
  • 賞与はなく、年収の12分の1を毎月の給与として受け取る
  • 社会保険料は2026年度の料率で1年分を計算(健康保険料率9.85%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金保険料率18.3%をそれぞれ労使で折半、雇用保険料は本人負担0.5%)。標準報酬月額は協会けんぽ東京支部の令和8年度の保険料額表による
  • 所得税は令和8年分の給与所得控除・基礎控除などで計算し、住民税は所得割10%、均等割(森林環境税を含む)5000円で計算
  • 片働きの妻は収入がなく、夫の扶養に入っている。そのほかの所得控除は考えない

2. 【試算】世帯年収600万円・800万円、片働きと共働きの手取りはいくら?

夫が1人で稼ぐ「片働き」と、夫婦が同じ額ずつ稼ぐ「共働き」で、税金・社会保険料・手取りを比べました。

【試算】世帯年収600万円・800万円、片働きと共働きの手取りは?1/2

【試算】世帯年収600万円・800万円、片働きと共働きの手取りは?

出所:国税庁「No.2260 所得税の税率」、全国健康保険協会「令和8年度保険料額表」などをもとにLIMO編集部作成

2.1 世帯年収600万円:手取りの差は約6.6万円

夫が1人で年収600万円の片働きの場合です。

  • 社会保険料:約88.1万円
  • 所得税(復興特別所得税を含む):約11.1万円
  • 住民税:約27.4万円
  • 手取り:約473.4万円

夫婦がそれぞれ年収300万円の共働きの場合は、2人分を合わせて次のとおりです。

  • 社会保険料:約91.5万円
  • 所得税(復興特別所得税を含む):約5.3万円
  • 住民税:約23.1万円
  • 手取り:約480.0万円

共働きのほうが手取りは約6.6万円多くなりました。税金は共働きのほうが約10.0万円少ない一方、社会保険料は約3.4万円多くなっています。

2.2 世帯年収800万円:手取りの差は約27.8万円

夫が1人で年収800万円の片働きの場合です。

  • 社会保険料:約116.5万円
  • 所得税(復興特別所得税を含む):約35.7万円
  • 住民税:約42.0万円
  • 手取り:約605.8万円

夫婦がそれぞれ年収400万円の共働きの場合は、2人分を合わせて次のとおりです。

  • 社会保険料:約119.8万円
  • 所得税(復興特別所得税を含む):約11.4万円
  • 住民税:約35.1万円
  • 手取り:約633.6万円

共働きのほうが手取りは約27.8万円多くなりました。税金は共働きのほうが約31.1万円少なく、社会保険料は約3.3万円多い計算です。