最近、金の値段が下がったというニュースを目にして、「上がり続けていた金はこの先どうなるのか」「下がった今、金投資を考えてもよいのか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
田中貴金属工業が11月4日に公表した金の店頭小売価格は1グラム2万2248円(税込)で、税抜に換算すると約2万225円でした。2026年3月に月中の最高値をつけたあと下がる場面が続いた金価格は、11月2日に直近の安値をつけ、その後は再び上昇に向かう動きを見せています。
この記事では、田中貴金属工業の公表データをもとに2025年以降の金価格の動きを振り返り、金価格が動く主な要因を整理します。
1. 金価格はいくら?2026年の値動きを田中貴金属の公表値で確認
まずは、国内の金価格の目安としてよく使われる田中貴金属工業の公表値で、足元の水準とこれまでの動きを確認します。
1.1 11月2日に直近の安値、4日は1グラム約2万225円に上昇
田中貴金属工業が11月2日9時30分に公表した金の店頭小売価格(税込)は1グラム2万1961円で、税抜に換算すると約1万9965円でした。前営業日から591円下がり、直近の安値となりました。
その後、11月4日に公表された店頭小売価格(税込)は2万2248円(税抜換算で約2万225円)で、11月2日から287円上がりました。足元では、下落から再び上昇基調にシフトしつつあります。
10月の店頭小売価格(税込・9時30分公表)は、10月7日の2万3503円が最も高く、10月26日の2万2367円が最も低い値でした。11月2日の価格は、この10月の最安値も下回っています。
1.2 2025年から2026年3月までの上昇と、その後の下落
月平均の参考小売価格(税抜)で見ると、2025年1月は1グラム1万3676円でした。2025年9月ごろから上昇のペースが速まり、2026年2月には2万5137円と、約1年で2倍近い水準になりました。
月中の最高値は2026年3月の2万7550円(税抜)で、田中貴金属工業が公表している月次データのなかで最も高い水準でした。
一方、その後は月平均が下がり、2026年9月は2万1953円(税抜)でした。11月2日の店頭小売価格は税抜換算で約1万9965円と、3月の月中最高値と比べて約28%低い水準まで下がりました。
11月4日は税抜換算で約2万225円まで持ち直しましたが、3月の月中最高値と比べるとなお約27%低い水準です。
2. 金価格が動く要因:ドル円・米国の金利・中央銀行の金購入
国内の金価格は、海外の金の値段(ドル建ての国際価格)を円に換算して決まります。そのため、国際価格が動かなくても、為替が動けば円建ての金価格は変わります。
2.1 ドル円相場:円安なら円建ての金価格は上がりやすい
円安・ドル高が進むと、同じドル建ての価格でも円に換算した金額は大きくなります。反対に円高が進むと、国際価格が変わらなくても国内の金価格は下がりやすくなります。
2.2 米国の金利:金利が上がると金は不利になりやすい
金は持っていても利息や配当を生みません。米国の金利が上がる局面では、利息のつく資産と比べて金を持つ魅力が薄れやすく、金価格の下押し要因になるといわれます。
2.3 中央銀行の金購入と、地政学リスク
各国の中央銀行による金の買い増しは、金の需要を下支えする要因として注目されています。また、紛争や景気の先行き不安が強まると、「安全資産」として金を買う動きが出やすくなります。
これらの要因は同時に動くため、どれか1つだけで金価格の先行きを判断するのは難しいといえます。