3. 12月中に70万円を返すと、今年の住宅ローン控除が最大4900円減る場合がある
住宅ローン控除を受けている人は、繰り上げ返済をする時期にも気をつけたいところです。特に12月は、ボーナスの支給と年末が重なります。
国税庁によると、2022年(令和4年)以降に入居した人の住宅ローン控除の額は、住宅ローンの年末残高の0.7%です。12月中に70万円を繰り上げ返済すると、その分だけ年末残高が減り、今年の控除は最大4900円減ります。
一方、年明けの1月に返せば、今年の年末残高は変わりません。期間短縮型で減る利息に比べると小さい額ですが、返す日を年明けにずらせる場合は、借入先に確かめてみてください。
なお、住宅ローン控除の期間は、新築の認定住宅などでは13年です。控除の期間が終わったあとは、繰り上げ返済の時期で控除額が変わることはありません。
ただし、年末残高の0.7%が控除の限度額を上回っている人や、控除額が納める税金より多い人は、繰り上げ返済をしても今年の控除が変わらない場合があります。
たとえば2024年にZEH水準省エネ住宅に入居した人(特例対象個人に当たらない場合)の控除限度額は年24万5000円で、年末残高3500万円の0.7%にあたります。残高がこれを超えている間は、70万円を返しても今年の控除は変わりません。ご自身の控除額は、昨年の源泉徴収票で確かめてみてください。
4. 繰り上げ返済の前に確かめたい3つのこと
繰り上げ返済は、返した分の利息が確実に減る方法です。一方で、一度返したお金は引き出せないため、次の3つを確かめてから申し込むと安心です。
- 繰り上げ返済の手数料と、申し込める最低金額(金融機関や申し込み方法によって違う)
- 返したあとに手元に残る預金の額(病気や失業など急な出費に備える分)
- 期間短縮型と返済額軽減型のどちらを選ぶか(借入先で試算を出してもらう)
特に、手元の預金をボーナスと合わせて返しすぎると、急な出費のときに困ることがあります。生活費の数か月分は、預金に残しておくことをおすすめします。
また、期間短縮型で返済が早く終わると、定年前に完済できる場合もあります。完済する年齢が何歳になるかを、借入先で出してもらう試算と一緒に確かめておくと、老後の家計も考えやすくなります。
返し方や手数料で迷うときは、借入先の金融機関に問い合わせてみてください。住宅ローン控除の扱いは、税務署でも確かめられます。
※本記事は2026年11月5日時点の情報をもとにしています。試算は一定の条件を置いた目安で、実際の利息は金融機関の計算方法によって変わります。
参考資料
- 内閣官房内閣人事局「令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」(2025年12月10日)
- 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
中本 智恵