妻に先立たれたとき、夫は遺族年金を受け取れるのか。子どもがいない場合は、いつから、いくら受け取れるのかを、知りたい方もいるのではないでしょうか。
日本年金機構によると、子のない夫が遺族厚生年金を受け取れるのは、55歳以上の人で、受給の開始は60歳からです。妻が会社員で、厚生年金に20年加入し、平均標準報酬額が40万円だった場合の遺族厚生年金は、年49万3290円(月約4万1108円)の試算です。
この記事では、子のない夫が受け取る条件と、金額の目安、受け取れる時期を確認します。
1. 子のない夫が遺族厚生年金を受け取れる条件は、「55歳以上」と「60歳から」
遺族厚生年金は、死亡した人に生計を維持されていた遺族のうち、最も順位の高い人が受け取ります。子のない夫は、子のない配偶者として、遺族の順位は3番目です。
子のない夫には、年齢の条件があります。日本年金機構のページには、次のように書かれています。
- 55歳以上の人に限られる
- 受給の開始は60歳から
遺族基礎年金は、「子のある配偶者」と「子」が対象です。子のない夫は、遺族基礎年金の対象になりません。遺族厚生年金は、55歳以上の夫でも、60歳になるまでは受け取れません。
このほか、亡くなった人の加入や保険料の納付の状況に関する要件もあります。個別の判断は、年金事務所で確認してください。
2. 子のない夫が受け取る遺族厚生年金は、年49万3290円(月約4万1108円)の試算
遺族厚生年金の額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。厚生年金の加入期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
報酬比例部分は、平成15年4月以降の期間なら、「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数」で計算します。妻が会社員で、厚生年金に20年(240月)加入し、平均標準報酬額が40万円だった場合を、試算しました(編集部の仮定)。
妻を亡くした子のない夫が、遺族厚生年金を受け取る時期(57歳で妻が亡くなった例)1/2
出所:日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」、「報酬比例部分」をもとにLIMO編集部作成(試算は編集部の仮定)
- 報酬比例部分:40万円×5.481÷1000×300月=年65万7720円
- 遺族厚生年金:年65万7720円×4分の3=年49万3290円(月約4万1108円)
加入期間が240月でも、300月とみなして計算するため、年49万3290円になります。実際の額は、妻の加入記録や、平均標準報酬額によって変わります。
3. 57歳で妻を亡くした夫は、60歳まで3年待ってから、5年で246万6450円
夫が57歳のときに、妻が亡くなった場合を考えます。遺族厚生年金は、60歳から受け取り始めるため、60歳になるまでの3年間は、受け取れません。
60歳から65歳になるまでの5年間は、年49万3290円ずつ、受け取ります。5年間の合計は、49万3290円×5年=246万6450円です。
夫が55歳で妻を亡くした場合は、受け取り始めるまでに5年かかり、59歳なら1年です(編集部の計算)。妻を亡くしたときの夫の年齢によって、受け取れない期間が変わります。
子のない夫は、遺族基礎年金の対象になりません。60歳までの収入や、生活費の見通しは、妻を亡くした後に早めに立てておくと安心です。