12月15日は、10月分と11月分の年金が振り込まれる日です。2026年は、この12月の支払いで所得税の精算がおこなわれ、引かれすぎていた税金が戻る人もいます。
日本年金機構の案内によると、所得税の基礎控除の見直しを受けて、11月までの年金は改正前の控除のまま所得税が差し引かれています。12月の振込額がいつもと違う理由を、前もって知っておくと安心です。
この記事では、12月の精算のしくみと2026年度の年金額を確かめたうえで、60歳から89歳までの国民年金・厚生年金の平均月額を1歳刻みの一覧表で紹介します。
1. 【2026年度】年金額は国民年金1.9%・厚生年金2.0%の引き上げ
公的年金の額は、物価や賃金の動きに合わせて年度ごとに見直されます。厚生労働省が2026年1月23日に公表した資料によると、2026年度の年金額は国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引き上げとなりました。
1.1 2026年度の年金額の例(月額)
- 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分※1):7万608円(前年度から1300円増)
- 厚生年金(夫婦2人分※2):23万7279円(前年度から4495円増)
※1 1956年(昭和31年)4月1日以前に生まれた人の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
引き上げ後の額が実際に振り込まれたのは、4月分と5月分をまとめて受け取った2026年6月の支払いからです。12月15日には、この年金額の10月分と11月分が支給されます。
ただし、12月の振込額は年金額だけでは決まりません。年金からは税金や保険料が差し引かれており、2026年はそこに所得税の精算が加わるのです。
2. 【12月の年金】引かれすぎた所得税が戻る人も
年金からは、所得税や介護保険料、住民税などが差し引かれています。このうち所得税は、年金額が一定以上ある人だけが対象です。
2.1 2026年分は基礎控除の見直しを12月に反映
2026年度の税制改正で、所得税の基礎控除などが引き上げられました。日本年金機構によると、年金から差し引く所得税は、11月の支払いまで改正前の控除で計算しています。
そして12月の支払いのときに、改正後の控除で1年分の税額を計算し直し、それまでに差し引いた額との差を精算します。精算で引かれすぎた分が出れば、原則として還付されるのです。
日本年金機構が示している例では、支払い1回あたりの所得税が、改正前の6000円から改正後は4600円に下がります。2月から10月までの5回の支払いで、1回1400円ずつ多く引かれていた計算です。
引かれすぎた分は、合わせて7000円になります。12月の支払いでは、本来引かれる4600円をこの7000円と差し引きし、2400円が戻ってくるという流れです。
2.2 所得税が引かれる年金額の基準も上がる
今回の改正では、年金から所得税が差し引かれる人の範囲も見直されました。日本年金機構の案内では、源泉徴収の対象になる年金額は次のとおりです。
- 65歳以上:2026年分は年205万円以上、2027年分以降は年214万円以上
- 65歳未満:2026年分は年155万円以上、2027年分以降は年164万円以上
年金額がこの基準に届かない人は、もともと所得税が差し引かれていないため、12月の精算もありません。12月の振込額がいつもと違うかどうかは、通帳に記帳して10月の振込額と並べてみると確かめられます。
筆者が元公務員として国民健康保険を担当していた頃も、年金から天引きされる保険料や税金が変わった月には、振込額だけを見て驚かれる方が少なくありませんでした。振込額が動いたときは、まず何がいくら差し引かれたのかを確かめるのがおすすめです。