JT(日本たばこ産業)<2914>が10月29日に発表した2026年12月期の第3四半期決算は、累計の売上収益が2兆9,913億円(前年同期比13.6%増)、営業利益が9,477億円(同24.2%増)でした。

同時に通期の業績予想を7月の第2四半期決算時点から引き上げ、売上収益3兆9,030億円、営業利益1兆410億円を見込んでいます。

一方、配当予想は修正しておらず、中間・期末とも136円の年間272円のままです。

同社の配当は、配当性向75%を目安に決める仕組みです。

利益予想が上がり、配当予想が変わらなかったことで、同社が算定する今期予想の配当性向は、7月時点の75.2%から73.2%になっています。

次の決算は、2026年12月期の通期決算で、2027年2月10日に発表される予定です。

本記事では、配当方針と直近5期の配当金の推移、株価と利回り、12月の権利付き最終日までを順にみていきます。

JTは配当性向75%が目安。今期予想の配当性向は73.2%

JTの配当を決める物差しは、配当性向です。

配当性向とは、その期の利益のうち、どれだけを配当に回すかを示す割合です。

同社は、「資本市場における競争力のある水準」として、配当性向75%を目安にしています。

目安には「±5%程度の範囲内で判断」という幅があり、75%ちょうどに合わせる決まりではありません。

自己株式の取得は、その年度の財務状況や中期的な資金需要などを踏まえて、実施するかどうかを検討するとしています。直近の取得は2019年2〜3月です。

今期の配当性向の計算には、カナダの子会社JTI-Macdonald Corp.を被告に含む喫煙と健康に関する訴訟の和解に伴う、和解金支払いなどの影響を調整した後の当期利益を使っています。

7月の第2四半期決算ではこの利益を6,420億円として配当性向を75.2%と算定し、10月の第3四半期決算では6,600億円として73.2%と算定しています。配当予想はどちらも年272円です。

今期予想の基本的1株あたり当期利益372円88銭で単純に計算した場合、年272円の配当性向は72.9%です。

前期の2025年12月期は、カナダの訴訟に関する影響などを調整した後の継続事業からの当期利益をもとに、配当性向は85.0%でした。

もっとも、75%は「目安」で、配当の金額を約束するものではありません。

決算短信も、業績予想などの将来に関する記述は、その実現を約束する趣旨のものではないとしています。

1. JTの株価は11月2日終値7,364円、予想配当利回りは3.69%

続いて、株価と参考指標をみておきます。

JTの11月2日の終値は7,364円でした。

この株価をもとにした指標は、PER(会社予想)が19.75倍、PBR(実績)が3.17倍、配当利回り(会社予想)が3.69%です。

2026年の年初来高値は10月23日につけた7,705円、年初来安値は1月29日につけた5,451円です(いずれも取引時間中の値)。

11月2日の終値7,364円は、年初来安値を1,913円上回り、年初来高値を341円下回る水準にあります。

ここからは、3.69%という利回りのもとになる年272円が、どのように積み上がってきたかをみていきます。